第7話


アイツに気づかれない様にワインのコルクを外す。


年代物の高級ワイン。


ワイングラスに注ぐと真っ赤な色がやけに綺麗だと思えた。


普段は、口に含み飲むはずのアイツが、一気に飲み干したのを、夢を見ている様に思え、妙に泣きたくなる。


目の前でスローモーションの様に倒れていくアイツが、いつもの様に薄く微笑んだ。



それを見ている私は、どんな顔をしているのだろう?



灯のついていない部屋。


外の光が部屋を照らす。



致死量に満たしているはず。


全て精密な計算通り。


ふと、窓の外を見れば、チラチラと雪が降っている。


これも私の計算通り。

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