第10話 第4次就職(??~現在)

努力もせずに働いていた。前職の技能を使って楽して働いてた。


ふと思った。「この技能は習得者が少ないのでは?」と。


なら話は別だ。もっといい所に行けないか?

転職の最後のチャンスだ。

『自己催眠』も痛覚を遮断するレベルに達している。

優秀な人間を「演じれば」出来るのではないか?


自己催眠を強化して現在の会社に努力して転職。

ぶっちゃけ詐欺臭いインチキ。『自己催眠』は完成していた。

ゲームとネットしかない陰キャコミュ障が「真人間」を装って。


欠点は変わらず。バカは死ななきゃ治らない。

まあ、正社員登録されればこっちのもんだ。


持病の心臓病が悪化。今までは10~20分で収まっていた動悸が止まらなくなり始める。


トラウマによる睡眠障害にはまだ気がついていない。PTSDという言葉すら知らない。

俺は私は『障害者』という自覚がないのだ。

『自己催眠』で「普通」を演じている「普通の人間」だ。


気分が悪くなり病院へ。この持病が大変な病気だという自覚すら無かった。


バカなんだよ。ああ、バカなんだ。


生まれつきのバカ。どうしようもない底辺の人間。


手術で心臓病は完治するが、バカは治らない。付ける薬がない。

永遠に治らない不治の病。


だからみんなの足を引っ張る。他人が出来ることが出来ない。

『自己催眠』の進化が進む。

生きていくために。『世界』にしがみつくために。


諦めたくない。死にたくない。

諦めるのは死んでからだ。生きている限りどんな手を使ってでも生きてやる。


他人から文句を言われようが、ズルい手を使おうが知るものか。

仕事中は『自己催眠』で協調性を出す。

「仕事ができる自分」を演じる。


休日は虚無だ。俺は私は何なのだろう。

ああ、そうだ、ゲームをやらないと。ネットサーフィンもやろう。

明日のことなどわからない。今日を楽しもう。

刹那的に、無意味に、時間を流そう。


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