第37話


あの男だけが真実を知っているのなら、それは消えた娘を守る為だろう。


良いタイミングに目の前に現れたのは、俺の病気も知っているのかもな。


それならそれで良い。


俺は、ただの探偵だ。


だが、それも来月で辞める。


10年以上の前の真実は、あの男だけが知り、最後に俺の知りたい事を伝える為に現れたのだろう。


なら、もうこれ以上、何もする事はない。


娘は生きている。


それで良い。


もう幕を下ろそう。


捜査と言う人生と赤い月の話しの……

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