第24話
本に書いてある曼珠沙華は、彼岸花とも呼ばれる。
それが、あの家の庭に咲いていたはずだ。
なら、現在、娘が居る場所にも曼珠沙華が咲いているかも知れない。
それは、俺が住んで居る街にだ。
赤い月、赤い瞳、赤い曼珠沙華。
三つ共、赤い色。
絵本を誰が描いたのか分からないが、遠くには行ってない。
そんな初歩的な事を、何故当時見落としていたのか?
嫌、誰かが意図してあの古本屋に、置いたのかもな。
そう思うと線と線が繋がるし、点と点も繋がる。
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