第10話
絵本とは言えない内容だから、買った奴は古本屋に売ったのか?
発行所を確かめよう最後ページを見たが、発行所どころか、著者の名前すら書いてない。
「これは?」
「それがいるなら、持って帰りな。金はいらないから」
「誰かが売りに来たとか?」
「嫌、気がついた時には店にあった。誰が持ってきたのか、知らないのだがね」
老眼なのか眼鏡を少しずらした爺さんが言った言葉に『なら、貰って帰る』と答え、その場を後にしながら思う。
何故、絵本コーナーにあったのか?
何故、赤い瞳の子供が主人公なのか?
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