光と雨を忘れれば

猫になりたい

あの時



時刻は深夜十二時。

見渡しても、人影はどこにもない。



帰り道、頼れるのは街灯の明かりだけ。

いつも通りの道のはず――



何もおかしなことはない。




それでも、ほんのわずかな違和感が胸に残る。

街灯の光を頼りに、私は足を進めた。



――その瞬間だった。

突然、街灯の明かりが点滅し、ふっと消えたのだ。




「これでは、前に進めないじゃないか」




そう思ったのも束の間、

街灯は何事もなかったかのように再び灯る。



胸の中の違和感も、

まるで溶けるように消えていた。




ふと足元を見ると、水たまりが広がっていた。



そういえば――




昨日は、雨が降っていたような気がする。


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光と雨を忘れれば 猫になりたい @waka_nnn

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