【番外編】フィーネ、映えは計画的に☆

「ねぇレイガ、今日って村に誰か来る予定あったっけ?」


レイガ「いや、なんで?」


フィーネ「じゃあサプライズ撮影会、決定〜〜〜っ☆」


ミオナ「ちょ、なんの話よ!?」


セリス「情報共有、早急にお願いします」


フィーネ「映えるのよ!突然の“無加工ドキュメンタリー風”が一番、伸びるんだからっ!」


ノクス「……影が強すぎる」


リュミエ「光合成の邪魔……」


クローネ「カメラはすでに自動追尾モードに」


ルミア「わ、私だけなんか光ってますけどっ」



フィーネの“インスタ風村記録計画”は、完全な独断で始まった。


・朝ごはん→“眠そうなレイガ”を激写

・洗濯中→ミオナのふんどしが風で舞う

・セリスの帳簿→ピントがなぜかぼけて詩的に


結果、村中が撮られ放題。


でも、フィーネは本気だった。


——昔から、褒められるのは“華やかさ”だけだった。


服、姿勢、笑顔。どれも努力して手に入れた。


「映える」ことが、自分の“存在理由”だと思っていた。


けれど、ここでは——

誰もそれを必要としない。


レイガは、泥だらけでも平気で笑う。

セリスは帳簿の数字に真剣で、ノクスは黙って縫い物を続ける。


「私、ここで何を映せばいいのかな……」


その答えを、今日探したかったのだ。



午後。


フィーネは「#嫁力爆上がり」と書かれた旗を持って走り回っていた。


ミオナ「ちょ、これ拡散されてたらどうすんのよ!!」


セリス「むしろ経費計上が心配です」


フィーネ「安心して!今のとこ“見られたくない現実”しか撮れてないから!」


——だけど、シャッターを切るたびに、

どこかで少しずつ、不安も消えていった。


「映えない光景にも、ちゃんと輝きってあるんだなぁ……」



夕暮れ。


静かになった村で、レイガがぽつり。


「でもさ、今日、なんか楽しかったな」


ミオナ「え……マジで?」


ルミア「みんな、笑ってましたし……ね」


フィーネは、照れ隠しにそっぽを向いた。


「ま、偶然の産物ってやつよね〜……あたし、意外と演出いらないタイプかも?」


レイガ「……フィーネは、そのままで十分面白いよ」


「は、はぁ!? そ、それ今撮ってないの!? 撮ってよ!!」


——その時のフィーネの笑顔は、

今日撮ったどの一枚よりも、眩しく輝いていた。

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