【番外編】フィーネ、映えは計画的に☆
「ねぇレイガ、今日って村に誰か来る予定あったっけ?」
レイガ「いや、なんで?」
フィーネ「じゃあサプライズ撮影会、決定〜〜〜っ☆」
ミオナ「ちょ、なんの話よ!?」
セリス「情報共有、早急にお願いします」
フィーネ「映えるのよ!突然の“無加工ドキュメンタリー風”が一番、伸びるんだからっ!」
ノクス「……影が強すぎる」
リュミエ「光合成の邪魔……」
クローネ「カメラはすでに自動追尾モードに」
ルミア「わ、私だけなんか光ってますけどっ」
◆
フィーネの“インスタ風村記録計画”は、完全な独断で始まった。
・朝ごはん→“眠そうなレイガ”を激写
・洗濯中→ミオナのふんどしが風で舞う
・セリスの帳簿→ピントがなぜかぼけて詩的に
結果、村中が撮られ放題。
でも、フィーネは本気だった。
——昔から、褒められるのは“華やかさ”だけだった。
服、姿勢、笑顔。どれも努力して手に入れた。
「映える」ことが、自分の“存在理由”だと思っていた。
けれど、ここでは——
誰もそれを必要としない。
レイガは、泥だらけでも平気で笑う。
セリスは帳簿の数字に真剣で、ノクスは黙って縫い物を続ける。
「私、ここで何を映せばいいのかな……」
その答えを、今日探したかったのだ。
◆
午後。
フィーネは「#嫁力爆上がり」と書かれた旗を持って走り回っていた。
ミオナ「ちょ、これ拡散されてたらどうすんのよ!!」
セリス「むしろ経費計上が心配です」
フィーネ「安心して!今のとこ“見られたくない現実”しか撮れてないから!」
——だけど、シャッターを切るたびに、
どこかで少しずつ、不安も消えていった。
「映えない光景にも、ちゃんと輝きってあるんだなぁ……」
◆
夕暮れ。
静かになった村で、レイガがぽつり。
「でもさ、今日、なんか楽しかったな」
ミオナ「え……マジで?」
ルミア「みんな、笑ってましたし……ね」
フィーネは、照れ隠しにそっぽを向いた。
「ま、偶然の産物ってやつよね〜……あたし、意外と演出いらないタイプかも?」
レイガ「……フィーネは、そのままで十分面白いよ」
「は、はぁ!? そ、それ今撮ってないの!? 撮ってよ!!」
——その時のフィーネの笑顔は、
今日撮ったどの一枚よりも、眩しく輝いていた。
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