午前二時のわたし。

猫になりたい

午前二時に見たものは

夢を見た。



小さくて、どこか悲しげな少女の夢だった。

私はこの子を知っている――




それは、幼い頃の自分にそっくりだったから。



無邪気に笑うその少女は、今の私とはあまりに違って、



眩しくて、儚くて、



まるで、生きている実感を一瞬だけ取り戻させてくれるようだった。


少女とは会話もできた。


未来について話すことも、きっとできた。




けれど、私は話さない。干渉もしない。





だって――

「未来の私が死んでいる」なんて、



そんなこと、知る必要も、知りたくもないでしょう?






時計の針は、午前二時を指していた。

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午前二時のわたし。 猫になりたい @waka_nnn

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