第9話 記憶…甘い蜜の言葉 甘い罠のような…
思い出の中…先の皇帝の妃
先の皇帝は今の皇帝の兄だった。
激しい権力闘争の中、息子セレム三世の地位を盤石にする事が…
だからこそ…
この時の老皇帝、デュルハミト1世にエーメを妃の1人に推薦した
◇ ◇ ◇
トプカプ宮殿の奥 後宮での生活に徐々に慣れてゆくエーメことナクシディル
優しく接してくれる妃のお気に入りとなり
多くの贈り物を貰う
とても大きな宝石に綺麗な絹の衣、テイアラや帽子などに様々な丁度品
愛くるしい彼女の美貌が引き立つような色合いやデザイン
それから手に入れるのが難しいはずの故郷の仏蘭西の食材に
流行りの小説本に衣装
耳もとで囁く声は何処までも優しく、魅惑的だった。
「確かに囚われの身
でもね‥皇帝は幾つもの大陸にある国々の支配者で
有り余る財を持っているわ 分かるでしょう?」
「恋人はいないと言ったわ 私の可愛いエーメ」「あ、はい」
甘いチャイ、香辛料の入ったミルク紅茶の匂いに美味しい料理の数々が並ぶ
妃からの贈り物 豪奢なダイヤの首飾りをシリアンナ妃
自らがエーメ、ナクシディルの首元に着ける
「あ、ありがとうございます」緊張した面持ちでナクシディル(エーメ)が答えた
微笑しながら彼女が言うのは‥
「故郷の家族の手紙のやり取りとか?」「!」
「普通なら叶わないけどね でも‥皇帝の妃の一人になれば 多くが叶うわ」
「自分もだけど 家族や大事な友人とかに会えるかもよ」
その言葉に驚き戸惑うエーメ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます