あとがき
ここまで本作を読んでくださり、ありがとうございます。
数万字単位のオリジナル小説は初めてで、拙い部分も多々あったと思いますが、それでもここまで読んでくださった読者様に最大限の感謝をお送りします。
本作のテーマは「変化と選択」です。私が実際に持ったぐちゃぐちゃな感情を基に、それを未波に代弁してもらいました。
大人になるにつれて、理想は少しずつ現実味を帯び、やがて「完全な現実」を突きつけられる日がきます。
これを「突きつけられる」ではなく「迎えにくる」と感じられるように、ほどけていく理想にさよならを送って、新しい現実を迎える勇気を与えられれば幸いです。
また本作では、未波が自分の抱いた感情に「寂しい」という名前を付けました。しかし、寂しい以外の感情を思い浮かべた読者様もいるでしょう。
それもまた1つの答えです。同じ体験をしても、その体験をどう感じるかは千差万別です。人の感情に『共通の答え』の答えはない、私はそう考えます。
だからこそ、自分が今どんなことを考えていたのか、何を感じているのか、今一度考えてみてください。そして、その感情に『名前』を付けてあげてください。当たり前だと思っているその感情も、かけがえのない、唯一無二の感情ですから。
私たちの人生は、ぐちゃぐちゃに絡まった1本の糸です。
その糸先は、紆余曲折を経て枝となり、後戻りのできない人生の道となっていきます。
みなさんの糸先は、どこに向かっていますか。どこへ向かおうとしていますか。
自分の歩んだ道を振りかえって「こうしてよかった」と思える人生を迎えられることを、遠くから願っています。
改めて「むすんでひらいて、私たちの結び切り」を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
むすんでひらいて、私たちの結び切り くさもちぃ/37370 @kusamo_37370
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