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  • 第1話への応援コメント

     悪魔が死人の魂を回収して、天使がそれを浄化する。同じシステムの一部でありながら生まれたこの差は、人間と接する機会の多さ、つまり人との近さなのでしょうね。そう感じました。この悪魔はさらにその人の人生まで調べていたようですし。
     そんな悪魔を観察するうち、地上にまで降りてきて人に触れた時点で、天使の方にも自我(というか人間性?)が生まれてくるのは必然なのでしょうね。あるいはそこまで含めて神の想定内なのかもしれません。

     哲学的な想像が深まる面白いお話でした。

    作者からの返信

    感想ありがとうございます。

    この話の出発点はまさしくその点にありまして、特にアブラハム系宗教の聖典群に顕著ですが、やはり天使は明確に主という仕えるべき存在がいる為か人に対して、ともすれば冷酷にも思える行いを課すのに対し、一般的に悪魔と呼ばれる存在の登場するエピソードでは、悪魔は人を誑かし試すようなことは行いますが、最初から人を下等な存在と見下して接触している話は少ないように思えます。
    そのような点からインスピレーションを得て、それに加えてもし昨今よく話題にあがるAIが自我と呼べるものを獲得したら、なんていうSFの文脈では使い古された設定ではありますが、そういったデジタルな要素と宗教的な要素を混ぜ合わせてみた、というような経緯でひとつの短編にしてみました。

    そして全て込みで神の思惑通りであるのかどうかという点も、天使ルシフェルが堕天に至るまでのエピソードと、その解釈を一部下地にもしております。ですので、作中における天使の自我の獲得と疑うことの自覚は、或いは堕天の兆しと捉えることも出来るかもしれません。
    そして作中において最大の罪を「疑う」ことと定義したのは、「創世記」にて語られるアダムとイブが知恵の実を食してしまったが為に永遠を奪われたというエピソードを下地としています。であれば、先に自我を獲得している悪魔の言葉は、天使にとってはまさしく禁断の果実であったのかもしれません。

    楽しんで頂けたのであれば幸いです。

    編集済