掬うということ
八坂卯野 (旧鈴ノ木 鈴ノ子)
すくうということ
幸せか不幸かどちらが良いか
問われたのなら幸せがよい
どうしてって聞かれたら
不幸は辛くて嫌だから
なら不幸っていらない
だから幸せだけになればいい
不幸が消えた世界なら
幸せ溢れる世界になる
アップダウンの山道より
フラットの市街地へ
厳しく険しい荒々しさから
緩やか優しい穏やかさへと
きっと幸せに満ち溢れ
順風満帆な生活となる
でも、それは無理なお話
とても、とても、難しいお話
人間は考える生き物だから
そう、考えてしまう生き物だから
考えるとは比べること
考えるとは選ぶこと
比べたものが、選んだものが、
幸せであっても考えてしまう
もう一つの方が良かったかも
もう一つの方が正しかったかも
不幸を選んでしまった
不幸になってしまった
悩み妬んで悲嘆に暮れて
耐えれぬ苦しみに晒される
そんなとき、そっと手を差し出され
不幸の淵から掬ってくれる誰かがいる
救うでなく
掬うである
すると幸せが訪れて
すると幸せが感じれる
不幸は幸せを伴ってやってくる
幸せは不幸に遅れてやってくる
掬う手が差し出されたなら
掬う手を差し出すことを忘れないで
小さな手だから難しい
大きな手だから難しい
そんなことは気にせずに
そっと掬い出してくださいな
1人の勇気で無理ならば
周りの勇気に声かけて
それが続いてゆくのなら
幸せはそこかしこに訪れる
不幸は据えた腐蜜の味
幸せは清々しい蜂蜜の味
幸蜂が蜜を配ってまわったら
甘く染み入ることでしょう
理想なのだと不幸で終わらせず
理想なのだと幸せで終わらせる
不幸は幸せを伴ってやってくる
幸せは不幸に遅れてやってくる
掬うということ 八坂卯野 (旧鈴ノ木 鈴ノ子) @suzunokisuzunoki
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