Doppelgänger

　お風呂で体を温めて

　ふとんでゆっくり眠りにつく

　夢を見るだろう

　果てなき夢と果てしなき夢を

　いつものあなたがいるように

　ドッペルゲンガーのあなたがいる

　そして非日常の暮らしこそ日常となって

　つまらぬ世の理は吐息に消える鬼火となる

　あなたの遊歩道から差した影ではなく

　ドッペルゲンガーの遊歩道を歩いてく

　天啓、啓示、予知夢、欲望。

　どんな言葉だって当てはまりはしない。

　明晰夢だと軽んじることは愚かしい

　人生を夢まぼろしと侮ることのよう

　それは何人にも囚われない

　そして何人にも囚われる

　理論の崩壊も、物理の法則も、そのあたりまえのことすらも

　崩壊の理論で、法則の物理で、そのことすらもあたりまえに

　同じように命を灯して

　同じように日々を紡いで

　目覚めれば、良夢、悪夢、それとも……。

　思考も記憶も肉体も変わらぬ心を宿してる

　あなたが夢の中に憧れるように

　夢の中もあなたに憧れている

　憧れることは良いこと

　憧れられることは良いこと

　さほど平凡とため息を漏らす日々でさえ

　なんと非凡と吐息を漏らす日々になる

　あなたらしく生きていい

　ドッペルゲンガーらしく生きていい