第10話 サビ管物語
「俺は、絶対にここのサビ管になってやる……!」
この施設に勤務したての頃、俺はそう思った。
皆さんは、「サビ管」というワードをご存知だろうか?正式名称は「サービス管理責任者」。例えば知的障がい者などの施設に配置される役職で、施設と関係機関との連携や個別支援計画書(利用者、つまり知的障がい者の支援の方針を決めるもの)の作成などを担当するものだ。またこのサビ管は一つの施設に一人、必ず配置されなければならないと法律に明記されている。
ただ、俺の勤める施設は少し特殊で、サビ管が「主任支援員」を兼務することが通例となっていた。つまり支援員のトップ、さらには施設長への道もサビ管になれば見えてくる。
これは、絶対に目指したい、喉から手が出るほど「サビ管」という役職が欲しい―。俺は素直にそう思った。
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