13①
離婚はすぐに成立したが、優しい父は離婚と同時に母を追い出さず、年末を期限に母が同居を続けることを許した。年末までの八ヶ月を猶予期間として、母は住む場所と仕事を見つけ、自立を目指していくことになった。
ゴールデンウィーク中に学校で落ち込むことがあった。
授業でかかわりがないから僕の目のことを知らない女子生徒が廊下で僕の目を見て、
「先生、目、どうしたんですか?」
と騒ぎ立てた。
「左目は義眼なんだ」
「治らないんですか」
「治らない」
これで話が終わったかと思ったら、去り際にかわいそうと言われた。
僕はかわいそうじゃない!
すぐに怒りが湧いてきたが、もうその女子生徒はいなくなったあとだった。
思わず短歌まで詠んでしまった。
義眼だと伝え言われたかわいそうが
そうだった。
今日はアスルヴェーラ沼津のホーム戦。先週の八戸戦、アスルヴェーラは勝利し、最下位を脱出した。反転攻勢開始ということで今日のゴール裏は盛り上がるだろう。
しかも今日の対戦相手は
試合当日、迎えに来た萌さんが車から降りてきたのを見たとき、一陣の風が僕の前を吹き抜けた。あの日、スタジアムで感じた熱い風。そう。僕にとって君は熱い風なんだ。一瞬で終わる風でなく、ずっと吹き続け、その力で僕は毎日を生きていける。
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