『今晩、焼き鯖とひじき煮、大根の味噌汁だけど食う? 白飯付きで五百円な。先着五人。出来れば野郎限定。』
そんなポストを見かけたら、どう思いますか?
しかも素朴でおいしそうな、美味しい香りまで漂ってきそうなメシ写真つきで。
……いやいや、でもこれは仲間内の投稿でしょう。公開されているSNSのポストとしては個人的すぎるような。
でもとりあえずフォローしておこう、だって、おいしそうだし。
きっと自分でも、そんな風に思うと思います。
そうやって日々そのアカウントを見ていると、どうもいろんな人たちが、そのご飯を食べたいと手を上げている様子。
……いやいや、大丈夫? そんな見知らぬ人のところにご飯食べに行くなんて、不用心じゃない?
そんな風に思いつつも、どうにも美味しそうなメシ写真と、飾らない様子の投稿者に次第に興味を惹かれ、いつしか自分も、本当に食べてみたいなあと思ってしまう。
この物語はそんな風に、「ありそう!」な感じで始まります。ごく自然に心の中にするっと入って来る、そんな物語なのです。
そしてそんな風に出会った二人の関係は、たくさんの登場人物と、美味しいご飯とともに、じんわりと温まっていきます。
まるで実家に帰ってきたようなほっこりご飯と、優しい人々。そしてゆるBL的なときめき。
メインのおかずにお味噌汁、ぴかぴか白飯に美味しいデザート。
すべてひっくるめて、美味しかった、楽しかったと思えるような物語。
そんな物語を、召し上がってみませんか。