【双神は瓜二つ】

「でも、どうやって見分けたらいいのかな……。」



それが出来なければ弟子にはなれない。

だが、見比べても違いがさっぱり分からないのだ。



「じゃあ、今は教えますね。私がナーサティヤで、」



「私がダスラです。違いを見つけて分かるようになって下さいね。」



そう言って微笑む顔もまったく同じだった。



「よーし、頑張ろっ。私、ずっとここにいるから。」



二人を観察し、違いを見つけようと意気込むセフィーナ。



「いいけど8時には家に入れよ。つーか宿題はやったのか?」



「まだ……」



「じゃあ7時までだな。それとも先に宿題するか?」



ふるふると首を振る。

今席を外したら、どっちがどっちか分からなくなってしまう。



「んじゃ7時まで頑張れよ。」



「分かった。」



アシュヴィン双神から目を離さずに返事をする。

笑って立ち去るシヴァと、じっと見つめられて苦笑する双神。



「アシュヴィン、酔い醒ましの薬をくれないか?」



「え、どうして貴方が?」



「下界の酒を飲み比べてたら酔いが回っちまってな。」



そう言って話しかけて来たのはソーマだった。



「貴方が酔うなんて、一体どれほど飲んだんですか?」



めったな事では酔わない酒神ソーマ。

その彼が酔ったというのだから驚いて当然だった。



「分かんねぇ。いろんな酒を飲み過ぎたのが原因じゃねぇか?」



わははと笑いながら薬を受け取って。

飲み込んだソーマがスッキリした様子で自分の席に戻って行った。



「やっぱりすごい……」



その薬の効果と即効性に感心する。

と共に、ふと思った。


薬を手渡したのはダスラの方だった。

もしかしたら薬を持っているのがダスラなのかも知れない。



「アシュヴィン、子作りするから薬くれ。」



「はい。頑張って下さいね。」



笑いながら薬を渡したのは……ナーサティヤだった。

それから何人かの神が薬を貰いに来たが、どちらともなく薬を渡していた。



「うー……」



やはり見分けはつかない。

眉間にシワを寄せ、二人を凝視するセフィーナだったが……


特徴をつかめないまま時間となり、渋々宴会場を後にした。

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