転生したらヤバすぎるボーイだった。

レモンキング

第1章第1話   神様エグすぎ

「んああ〜〜」

情けなさすぎるあくびとともに起きた俺は、あることに気がつき、奇声を上げた。ありえない。こんなことがあってはいけない。今の今まで、俺ー小塚奏然は、高校で理科の授業を受けていたはずなのに。先生に叱られるのを半ば覚悟で、居眠りしていたはずなのに。

「なっなんで裸なんだよ〜〜」

よくみたら色々とおかしい。俺なんかめちゃくちゃ豪華なベッドの上に腰掛けてるし、床は雲だし、なんかベッドふわふわ浮いてるし。んでもって、よくみたら、何匹かGがいるじゃねえか。ぎゃーーーー。Gだけに、Gyaーーーー。なんちって。そんなくだらない親父ギャグを考えながら、とりあえずGを追っ払って、なぜ俺がこの状況になっているのか考える。雲の上ってことは、死んだのか?でも、俺がなぜ死ぬんだ?居眠りしたら死ぬのか?

そんなことを考えていると、ベッドについていたカーテン(?)的なのがめくれて、「それ」は現れた。「それ」は、人語が理解できるらしく、おれに話しかけてきた。

「How are you?]

いや英語?!英語かよ。俺英語苦手なんだよ。とにかく、俺は意思疎通を図ろうとする。

「スミマセーン。ワタシエイゴワカリマセーン」

「あっそうなの?ごめんね、日本人だったのね。いやー最近アメリカ人が多くて。」

そのままぶつぶつと呟く「それ」を置いといて、俺は「それ」に話しかける。

「えっと・・・なんでここにあなたはいるんですか?」

「えっ!もちろんそれは私が神だからだわよ。」

新しいことを知った。「これ」は神だったのか。しかし、今俺が聞きたいのはそういうことではない。

「エト・・・、そうゆう意味ではなく、なぜここに、あなたみたいな巨大なゴキ○リがいるんですか、と聞いているんですけど・・・」

そう、「それ」は巨大なゴキブ○なのだ。こんなことを神に向かって言うのもアレだが、正直近づかないでほしい。本当に気色が悪い。

「・・・」

「・・・」

「まっまあひとまずそれは置いといて、次に行きましょ、次に。」

「そうですね、このまま話していても埒があきませんもんね。」

どうやら俺は触れてはいけない部分に触れてしまったようだ。ひとまず話題を逸らす。

「なんで俺はここにいるんですか。ここわ何をするところですか。俺は結局死んだんですか、それとも死んでないんですか?」

「えっと、まずあなたは死んでいます。そして、ここは転生する場所です。あなたがここにいる理由は、私がいびきをかいてしまったからなの。」

え。ええええええええ。

「冗談じゃないですよ。俺高校生ですよ。未来ある若者ですよ。それなのに、なんで、なんで、ゴ○ブリごときのいびきで死ななきゃいけないんですか、おかしいでしょ!!!」

「ま、まあ一旦落ち着いて頂戴。」

「落ち着けるわけないでしょう!?」

「もう〜〜〜めんどくさいしいいや。もう転生させちゃえ。『大いなる災禍』」

「ちょ!待ってく・・・だ・・・・・・さ・・」

俺は、途切れゆく意識の中で、力一杯叫んだ。そして、そこから俺の記憶は途切れている。

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