第23話 恥ずかしいことを恥ずかしげもなく
☆☆☆
「...」
土下座をしている状態だから、咲月先輩がどんな表情をしているのかわからない。困惑か、驚きか、はたまた軽蔑か...。てかこの無言の時間が嫌だ!頼むから何か反応してくれ!
俺は額に汗をかきながら、咲月先輩の反応を待つ。
「...ふふっ」
不敵な笑い声が聞こえる。そして...目の前に白い何かが見えた。これは、靴下...?
咲月先輩は、目の前で椅子に座った状態。つまりこれ、まさか先輩の足か!?
その後、あごをぐっと持ち上げられる。足で。
「ふふ、顔をお上げ?」
「持ち上げられているんですけど...って!?ちょちょ、先輩それ今すぐやめてください!」
俺は慌てて、先輩の足をよけて顔をずらす。先輩はスカートの状態で、椅子に座っている。わかる?この状況。やばいのわかるよね??
「ふふ...」
先輩は懲りずに、また足で顎を持ち上げようとしてくる。さすがにいろいろと危ういので、そろそろやめてほしい。てか実先輩はどうした!咲月先輩を止めてくれよ!!
「私のこと、もっと知りたいんでしょう?なら、普段見えないところまで探求するべきなんじゃない?」
「い、いや、それとこれとは話が別で...!先輩だって、見えちゃうのは嫌でしょう!?まずいでしょう!?」
「君なら嫌じゃないかな~?それにさあ、何が見えたらまずいの?」
こ、この人めっちゃからかってくる...!くそ、恥ずかしがったら負けだ!こうなりゃ堂々と言ってやる!
「そ、そりゃぱ...下着に決まっているでしょ!?」
ひよった。さすがに直接的な表現はまずいかなって。
「ふふ...それなら大丈夫。スパッツはいてるから、パ〇ツは見えないよ。」
直接的な表現!わざと避けたのに!
「なるほど、まあそれなら大丈夫...じゃねえだろ!!スパッツでも十分まずいわ!」
「え~...そう?君、そういうの細かいよね。」
「先輩たちが無頓着すぎるんです!さすがに心配になりますよ!」
ちなみに俺今、土下座してる状態でこの話してるからね。傍から見たらやばい奴だぜ?...傍から見なくても十分やばいか。
「あはは!やっぱ反応面白いや。いい反応見せてもらったから、機嫌を直してあげよう。」
先輩は椅子から立ち上がる。俺は息を吐いて、ゆっくりと立ち上がった。
「いつも面白い反応するから、ついいじめたくなっちゃうんだよね~」
「やめてくださいよ...心臓に悪いんで...」
俺はため息をつきながら言った。
「あ、ちなみに。さっき言ったパ〇ツ見えないって件だけどさ。スパッツは履いてるからパンツ見えないんじゃんなくて、スパッツは履いてるけどパンツは履いてな―」
「あーあーあー聞こえないー!!」
俺は咄嗟にその場から逃げ出すのだった。やべえよこの人!!
☆☆☆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます