第9話 因縁対決(?)がドリブルをつく。

ふっ、ふっ、ふっ。

鵲、見て驚くだろーなあ。絶対勝ってやる。まだ、かなわないかもしれないけれど,,,,。絶対に、いつか勝って見せる。

聖菜も元気そうだしねぇ。俺なら絶対できるっつうの。けけけっ。

絶対、勝ぁつ!!うおおしっ!

俺が体育館に入る。すると鵲はゲッとした顔になる。

「夢矢,,,,。」

「あん?なんだよ、テメエ。俺が来て、なんか悪いのかよ。あ、わかった。おめえ、俺に負けるのがなんだろ!」

「っ!んなわけねえだろうが、バカ野郎!!」

鵲、マジでキレた。でもねえ、正気を失うとやられるよ?

「__や、やるか?」

「おう、もちろんよ。」

俺が思うには、多分コイツは俺をここから追い出そうとしていた。それで、俺が自信満々できたから驚いた。そんなとこだろう。

ダム ダム ダム

ボールの音が響く。ふふっ、やっぱ戻ってよかったなあ。

響くボールの音。

キュッキュと鳴るバッシュの音。

滴る汗。

ああ、やはりここが好きなんだ、ココしかないんだよなあ。

戻ってきてよかった。くくくっ。よかった、よかったあ。

「おっ、夢矢やるのか。」

「ああ、やるやる。」

「お、おう。」

鵲がコクリとうなずく。多分今日は負ける。

でも、これで弱点を捜せばいいんだ。

レオに教えてもらった。レオは、相手の弱点を捜し、そこをつくことが大事だ。だから、それさえできれば大丈夫。いつか倒せる。

レオのおかげだ。最高だぜ、レオ。

良いぞ、いいぞ、レーオ。

さ、始めようか。鵲にパス。そして、鵲が俺にパス。

さあ、行こう。

まず、左に走る。こいつにとって、フェイクをしないというのが最大のフェイクだ。鵲は右にいた。だから、「えっ!?」と言って、焦る。

そして急いで追いついてくる。だが、追いつけないんだなあ。

急げ急げ。そろそろ来るからな、多分。

ほら、鵲が追い付いてきた。でもその前に、ここから、シュートしてやる。ダムダムダムとボールをついてからすぐさまっ、シューート!

パスッ。きれーーにはいりましたね。勝った!

次は俺がディフェンスの番か。うん、勝てるかもしれない。

でも、浮かれてちゃあだめだ。うぬぼれは最大の別れ道(by夢矢)。


さすが鵲はドリブルが早く、腰が低い、いや低すぎる。

でも負けねえ。低すぎると逆に動きにくいんじゃあねえか?

なるべく俺も腰を落として、鵲に張り付く。

歓声がさっきから聞こえてくる。

鵲は右にフェイクをかけて、左に走ってきた。

やるだろうと思ったよ!

すぐさま左に走り、シュート!行かせるかぁぁぁぁ!!!!

思いっきりジャンプっ!手を伸ばして,,,,。シュート阻止!!

だけれど,,,,,,。ちょうど腕の間を通り抜けて、入ってしまった。ちっ。


俺たち独自のルールなんだけど、1ON1で同点だったらフリースロー対決となっているのだ。

だからまず俺が先行でフリースロー。

落ち着け、俺なら、できる! 

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