地底人

@2_1

底辺

 暗い部屋の中、煌々と光るパソコンのモニターには、暇つぶしのため見ていた、2人組の動画投稿者が、こちらを見ながら笑っていた。


「あぁ、またこれだ」


 そう悔やんだのは、今日で何度目だろう。自分にはやりたいことがたくさんあったはずなのに。


 現在私は、実家から、情報系の専門学校に通い、週3のバイトをこなすという生活をしている学生。通うといっても学校は基本リモートでの授業を採用し、実際に学校に行くのは月1、2回程度だった。

 そんな環境で過ごしていると、ほとんどの人間は怠惰な生活を強いられると思う。例にもれず、私もそのうちの1人で。毎日昼の11時から12時にかけて起床し、適当に日中を潰したあと、深夜の3時頃に布団にもぐる。典型的な屑人間。そんな私を、唯一人間たらしめていたのは、週3で入っている本屋のバイトだった。

 私にも引け目というものがあったらしく、こうして深夜PCで、ネットサーフィンをしていると、唐突に自己嫌悪の感情が私を包み込む。それは確実に、かつ、大胆に私の心を傷つけようとするものだった。いっそ全て投げ出して、人でなしまで堕ちてしまえばいいのだが、それだけは譲れないといわんばかりのプライドがそれを許しはしなかった。

 必死に自分を肯定しようと頭を働かせるが。しかし、


「逃げる、辞める、諦める」


そんな自分の人生には、最初から褒められる部分など微塵もない。


夜更け、自己嫌悪もついにはクライマックス、


「死ねよ」


そう呟いても痛むのは自身の心臓だけ。現状何一つ変えられやしない。

そんな憔悴しきった心を慰める方法を、私はまだ知らない。

 

 

 


 

 


 

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