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すべてのエピソードへの応援コメント

  • あとがきへの応援コメント

    わーっ! おもしろかったー! 五三六Pさんを企画にお誘いしてよかったー! 凄い作品でしたね! 本当!(とまで言ってから気付いたように咳払いをして)こほん……失礼しました。
    ご参加ありがとうございます(くらいの興奮した気分です)。
    本作の、オムニバスのような形式で生まれてくる前と後の物語が繋がる構成は、Sound Horizonの『Roman』を思い出しました。ですが、挿話を迷宮のように組み立てたような本作の読み心地は一線を画するものがあります。こういう様式のいいところの一つは、途中まで作中作だと気付かずに読めることですね。間に挟まっているのが三話だけとは思えないほどの満足感がありました。
    あと第一章と第五章で話を枠に挟んだ上で、さらに「あとがき」で俯瞰の視点を与える書き方が面白かったです。これがなかったら読み手の感覚が「第五章 ふたたび生まれるあなたのために」にだいぶ引っ張られると思うんですけど、「あとがき」があるおかげで作品のエピソード五つを等価に見ることができました。で、この「あとがき」自体も無萌学者たちによるテキストであることが言及されている。しかも「(それで、結局あなたは何故無萌学者をやってるんですか?)」「(理由なんてないよ)」というやりとりによって、この「あとがき」を見ている人物が新たに現れる。マトリョーシカみたいですね。反出生主義という題材を扱うに当たって、あまり視点が固定されることをお嫌いになったのかなと思いました。そして、物語としても第五章で終わるよりも「あとがき」があるほうが息継ぎのようなものがしやすくてずっと良いと思いました。
    意欲的な構成にそぐわしく、文章も力と脂の乗った素敵な文章なんですよね。例えば「殻煮釣は粘菌によって染められた街道を巨大な貂に乗り駆けていた。」っていう一文とかめちゃくちゃ素敵じゃないですか。ワードチョイスの妙。ここで世界観が一気に立ち上がる。かっこいい。直前に「排気機関」や「補助器官」といったどんな世界観のSFかを示すようなワードはあるのですが、じゃあこのエピソードにおいて小説としての匂いやカラーが立ち上がるのはどこかというと、ここだと思いました。
    本作、各エピソードでSFとしての世界観説明に並行して、小説としての世界観イメージの描出がしっかりと行われているのですよね。文章による色塗りまでとても上手くて羨ましいかぎりです。
    ストーリーとか戦闘描写自体も面白くて、特に「第四章 旅行」なんかは単品の掌編としても成り立ちそうなくらいじゃないでしょうか。
    あと印象的なところとして、誤字が多いのですが、本作を読み進めるにつれてなんかもう逆にそれもまた五三六Pさん作品の魅力なんじゃないかと思えてきました。
    五三六Pさんの誤字って、汚い誤字がほとんどないですよね。(今思い返せば『テレパスもどき』も誤字はあるけどあんまり邪魔だなと思うことはありませんでした)。だいたいが誤字として美しい。例えば「静止が卵子に着手した瞬間」という一節、本来なら「精子が卵子に着床した瞬間」なんだと思うんですけど、「静止が卵子に着手した瞬間」の方がかっこいいし、込めれる情報量って多くないですか。一周回ってなんかいいなと思わせてくれるものがある。
    それだけじゃなくて、言葉遊びが多い芸風とも合っているんじゃないかと思います。例えば「槍ヶ茸」とかは意図的なものだと思うのですが、揺らぎの多いテキストだからこそ、正しいだろうところにも揺らぎを想像することができる。固有名詞のネーミングが一つ一つ創意に富んでいてかっこいいのですが、「これって誤字かな? 本来のテキストなのかな?」と適度に考えることができる(ガチで迷うレベルだと逆にテキストの揺れが邪魔になりかねないと思うんですが、五三六Pさんワードセンスがいいので、かっこいい方に従っていれば大体迷わない)ていどの誤字によるテキストの揺れって、言葉遊びとニュートラルな言葉を橋渡しする力があると思いました。世の中には言葉遊びが上手いのに、地の文と合っていないせいでなんか浮いてしまう書き手さんもいますが、五三六Pさんの場合それに悩む必要はなさそうです。
    饒舌な地の文や会話の長広舌、色んなモチーフをちゃんぽんにして再構築した色鮮やかな世界観(この世界観って、キノコや粘菌というモチーフをドミナントカラーにして統一性をもたらしているからこそできる技巧でもありますよね)といった、作品のいたるところの要素にテキストの揺れをノイズにならなくするような雑駁さと豊饒さがあるように思います。
    なんかもう稀有な天性の魅力なんじゃないかとすら思いました。
    感想を書くために読み返しているうちに、何となく感じたことなのですが、無萌学を支持する語りがオプシミスティックな雰囲気を持ち、「生まれたからには」と考える人々がペシミスティックな心境に悩むという本作の傾向は、なんだか逆転的なものを感じますね。何だか、この作品の視点や構図が次々と入れ替わるスタイルそのものが、どうにか答えを模索する営みのように思えてきました。
    素敵な作品をありがとうございます。

    作者からの返信

    凄く深く読み込んでいただき、ありがとうございます。
    その……誤字はやっぱり誤字なのでできるだけ減らすよう精進します

  • あとがきへの応援コメント

    昨年、別作品を読ませていただいたときにも感じたのですが、魅力ある世界観の設定が本当にご上手です。
    羨ましいなぁ。本当に羨ましいです。

    良いものを読ませていただき、ありがとうございました。

    作者からの返信

    ありがとうございます!

  • あとがきへの応援コメント

    「釈迦は己の母親を殺しながら産まれてきた」というエピソードがありますね。育ての母親は、実は叔母です。古代インドによくあった産褥熱の死別が、生老病死の生、「生まれる苦しみ」(生きる苦しみではない)と伝えられております。それを踏まえた上では「なぜ自らが産まれたのか?」という問いかけもまた我々と密接に関わりのあるクエスチョンです。
    (因みにぜんこうばしの家の宗教では「すべての出生は生前の【契約】に基づく」という考えがあって、「何で産んだんだよ!?」なる反抗期を封殺されて成長してきました。隙自語申し訳ない。)

    テーマ性が深いし、筆致も美しく、読んでいてドキドキしました。胸が痛い。
    小説の類型として、反出生主義を中心に置きながら、しあがりとしてはヒューマニズム的な側面があるというめっちゃ特徴的な作品です。小説内では転生を絡めて複ジャンルを扱うため、難しい作品だなとも思いました。

    作者からの返信

    ありがとうございます!
    本当に生まれるべきではないのかの議論をするには既存の本より掘り下げられないので、生まれるべきではないと、ある程度作中断定した登場人物がどう思って動くかを中心に書きました