いつもの君だ

Iloha

第1話

大切な君が苦しんでいる。


話も聞きたいし、

君を苦しめるものはやっつけたい。


でも出来ない。

祈るだけしか出来ないのかな。


去年君は大切な人を失くしてしまった。

永遠にだよ。


アカシアの花が盛りの海沿いを通って

私は毎日出勤する。

彼女が空に昇った場所がある。


君が苦しいのに、私は楽しく仕事を終えた。 


帰り道に彼女に尋ねるんだよ。

助けられないかなって。


でもふと思いついたんだ。

また君から連絡が来たとき、

または会ったときに

「ああ、いつもの君だ」

って君が思ってくれればいい。


君と彼女のことを思う。

「亡くなった人を思い出す度に

天国ではその人にお花が降ってくる」

そんな風に君に伝えたことがあった。


今彼女には沢山のお花が空から

舞い降りてくる。


多分二人分だ。

だから君、ゆっくりお休みよ。

君はきっと彼女を思いだしてる。

だから、君は眠るだけでいいんだ。

私も「いつもの私」でいるから。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いつもの君だ Iloha @Iloha

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ