主人公である「彼女」は猫。その視点から物語が語られます。
猫としての視点を通じて、飼い主への深い愛情が描かれ、そのひたむきな想いが胸を打ちます。
物語のなかで「彼女」はさまざまな場所で人間と関わることになりますが、それらは社会の中で猫と人間が交わる場所であり、「ヒト」と「ネコ」と両者の関係性をネコの視点から描いていて、考えさせられます。
また、このストーリーはひとつの解釈として、男性が女性に向けてきた暴力のメタファーとして読み解くことも可能です。猫の「彼女」の純粋な愛情と、その愛のひたむきさが際立つ一方で、社会の構造の中にある暴力や力関係の問題が浮かび上がるように描かれています。
強く感情を動かされる一作です。