俺を振った彼女の友達が俺に尽くしてくれるようになった。
杏介
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失恋と出会い
第0.5話 幸か、不幸か
今日、俺は一世一代の大勝負に出る。
学年一の美少女と目される彼女、
1学期の期末テストを終え、夏休みに入るまであと1ヶ月を切ったこのタイミング……輝かしい青春をこの手に掴み取るため、俺は決心したのだ。
今日に至るまで、俺は可能な限り自分を磨き続けてきた。
おかげでクラスの女子からはいい目で見られるようになったし、地味でいた中学時代とは比較にならないくらい沢山の友達だって作ることができた。
その結果、カースト上位の座にまで上り詰めた俺は教師陣からの信頼も厚い、誰もが認める陽キャ且つ校内の勝ち組候補として胸を張れるようになったのである。
が、しかしだ。
あくまで俺が求めているのは彼女の目──西川天音の気を引くため、西川天音を想い続けてきたからこそ今の自分が在る。
だからこそ、その成果を、集大成を──今こそ。
培ってきた確かな自信を胸に抱き、俺は決戦の場へと赴いていた。
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