羽田支局-3班デスクでの一幕-3
新岡 「平川くん平川くん!」
斎藤 「アレ?課長が呼んでる」
平川 「え、私?なんですか?」
新岡 「警察の人来てるからちょっと来て」
平川 「け、警察?あわわわわわわどうしよどうしよ…」
新岡 「早く来て!」
平川 「ハイ…」
とぼとぼと後輩は重たい足取りでチーフの方へ歩いて行く。
斎藤 「あーあいつも終わったな、サヨナラ〜」
代理は満面の笑みで見届けている。性格が悪い。
「人の心ないんですか?」
斎藤 「あれだろどうせこの前のひき逃げの件だろ。」
「あ〜〜〜〜たしかに…」
加藤 「でもわざわざウチに来てまで聴取します?普通後日来てくださいとかやりません?」
斎藤 「だよなーおかしいよなー、しかも奥にいるのアレ警察だろ?アレ特捜の刑事だぞ多分。」
代理が視線を向けるその先には警察と思わしきスーツ姿の男が2人居た。確かに交通課にしてはやけに強面だ。恐らく代理の言う通り特捜だろう。しかしなぜ?ただの交通事故じゃないのか?
〜〜〜〜〜〜〜〜
チーフに呼ばれて行くとスーツを着た2人組の男が居た。でもどちらも交通事故の時に対応してくれた警察官じゃない。どういうこと?
??? 「失礼、私警視庁特別捜査本部の吉田と申します、こっちは西住」
西住 「よろしくお願いします」
「は、はぁ…よろしくお願いします?」
吉田 「お忙しい中申し訳ない、平川さんでしたっけね?」
「は、はい。そうですけど…」
吉田 「いや〜この前自転車にひき逃げされたじゃないですか、本当にご愁傷様で…」
「あぁまぁそうですね…」
何でこの人は知っているんだろう、特捜部?交通課じゃない?
「えっと…今日はどのような?」
吉田 「あーすみませんねぇ、忘れてました今日の件ですがね?」
西住 「あなたを引いた男、名前を飯田と言うんですが、事故が起きた際何か言ってませんでしたか?」
「何かって…特には。言い訳ばっかりしててムカつきましたけど。」
西住 「その言い訳というの、覚えてます?具体的に。」
刑事さんの口調が少し強くなる。何か事情があるのだろう。あの時なんて言っていたかを必死に思い出す。
「えっと確か…"ち、ちち違うんだ…!俺じゃないんだ、俺はやってないんだ。身体が勝手に動いてわざとじゃない!謝るから今回だけは見逃してくれ!"とか何とか確か…」
私の言葉を聞いた2人の刑事は顔を合わせ頷いていた。
吉田 「…決まりだな」
西住 「えぇ…クロですね」
「えっ、えっと何か?」
新岡 「この人たちは今事件の捜査中でね、それの犯人を追っているとこなんだよ、で、たまたま平川さんがぶつかった人がその事件に絡んでたから聞きに来たって事。」
吉田 「そんなカンジです。まぁおかげでこちらも捜査が進みそうです。ありがとうございました、ではこれで。」
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