第5話 得物


先ずは自分のスキルを把握した俺だったが、直ぐに自分のズボンに黒い鞘と刀が備えられている事に気付いた(服装は寝る時に来ていた黒いシャツ、グレーの緩いズボンのままだった)。


早速路地裏の奥に入り、周りに見えない様に刀を抜いてみる。

勿論、『世界眼』でその性能を確認するためだ。


神話級ミソロジー  『闇』

斬撃威力補正・極大、衝撃耐性・極大、闇属性付与・極大、魔力吸収・極大


やはりと言うべきか、神から与えられたこの黒刀も神話級の代物だった。触れた相手の魔力を吸収すると言う効果は所謂魔剣を彷彿とさせるが、そう言ったものにありがち?な(イメージ)、使用者の魔力も吸い取ると言ったデメリットは無さそうなので一安心か?


俺には刃こぼれした刀を直す事は出来ないが、衝撃にも強いみたいだし、取り敢えず耐久性にも問題は無さそうだ。



…と、言った具合で『世界眼』を使い、平静を装って自分の能力と装備を確認した俺だったが、内心もう2度と家族や、少ないながも親しかった友人達には会えないのか、そもそもここここはどこなのか、ここからどうすれば良いのかと言うごちゃごちゃとした不安を抱えていた。

当たり前だろう。

俺はただの高校生だぞ。

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