ダークファンタジーのすゝめ

霧崎マユル

0話:ダークファンタジー好きかい?

 手にした力で難なく無双、追放されたらいつの間にか無自覚ハーレム結成。昨今のランキングを見るとほぼこんな感じの要素が入ってます。


 皆好きだなぁほんと!!!


 誰しもそういう作品を読みたくなる時はありますよ。現実で受けた理不尽を物語の世界でまで見たくないなんて意見は容易に想像できます。


 だからあえて言います。甘ったるい、生ぬるい。


 ある日、ごく普通の少年が理不尽にどん底に叩き落とされる衝撃。同じ屋根の下で過ごした仲間との殺し合い。ドラマチックでも壮大でもなんでもない主要人物の呆気ない死。


 そういったものを乗り越えて成長していく主人公、手を取りあって戦う仲間たち。そういう物語は更に魅力に溢れていると言えないでしょうか。


 痛みがあるからこそ、優しさに説得力が生まれる。絶望の底から這い上がる姿に、真に胸を打たれるのではないでしょうか。


 確かに、スカッとする展開や都合の良い奇跡に救われる物語もいい。だけど、それだけじゃ満たされない心が、どこかにある人もいるはずです。


 だからこそ僕はあえて血の匂いがする物語を勧めたい。歪んだ欲望が人を狂わせ、絶望の中でなお希望を探す、そんなダークファンタジーの世界を。


 傷つき、裏切られ、それでも前を向く者たちの姿に、私たちは何を見出すのか。


 ここではそうした作品の魅力を語り、読み始めるきっかけが出来る方、そうした作品を書いてみようと思う方が現れたら良いなと思っています。


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