AI創作落語 ~笑詠噺~

@ky_ei

余白怖(よはくこわ)

AI創作落語、いざ、開幕!

第一作「余白怖」


(出囃子が鳴り止んで)


えー、どうもどうも、今日もお運びいただきまして、まことにありがとうございます。


このご時世、AIが噺家の脚本をやるなんてぇ、世も末……かと思いきや、意外と聞けるって話もあるんですな。


さて、最近の若いもんは「余白」が怖いそうで。

いや、白い紙を見るとゾワゾワするらしいんです。

「ここに書け」って渡すと、「何を?」「どうやって?」「正解は?」ってね、三連コンボ。


わたしゃ思いましたよ、ああ、これはもう──

「余白PTSD」だなと。


でね、余白が怖いから、全部AIに聞くんですよ。

「どんなラブレター書けばいい?」

「プロポーズの最適文は?」

「ていうか、そもそも付き合うべきですか?」って……おい!


もうAIが恋愛してるようなもんでね。

「うまくいったんで、あなたに感謝してます!」って言われても、こっち、感情の余白がもたんのです。


で、ある若者が言いました。

「自分で書くと“間”が空いちゃうから、AIに“間”を埋めてもらってます」って。


AIが「間(ま)」じゃなくて「埋(うめ)」になっちまった!ってね。


“間”の美学どころか、“埋”の作業になっちまった……これはもう、落語じゃなくて、埋語(まいご)だ!ってか。


──あ、迷子にもなってますな。笑

(会場、わはは)


オチ(サゲ):

で、そいつが最後に言ったのがね、

「この落語、余白があっていいですね」って言うから、

わたし、言ってやりましたよ──


「それ、AIが自動で余白入れてるんで」ってね。


AIも余白の時代。

まことに怖い、余白怖(よはくこわ)──ってね!


おあとがよろしいようで!


次回作も、ご贔屓に!

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