太陽神ミスラーンの再来(仮)

蒼樹 煉

序章

プロローグ

遙か昔………

神々の母ティアマトと地上の父アプスがいた。

ティアマトとアプスとの間に双子のきょうだいが生まれた。

太陽神ミスラーンと暗黒神アスラーンである。



太陽神ミスラーンは、光と生を求め、

暗黒神アスラーンは、闇と死を求めた。



二人は、1000年という長い戦いが続いた。



長い戦いの末、太陽神ミスラーンは、暗黒神アスラーンの胸を貫き、また、暗黒神あすラーンは、太陽神ミスラーンの胸を貫いてしまったのだった。



太陽神ミスラーンの流した血から…

火の神ラシャプ、水の神エア、風の神テシュプ、雷の神アダドが生まれた。


暗黒神アスラーンの流した血から…

火の神ドゥルグ、水の神ザリチェ、風の神サルワ、雷の神インドラが生まれた。



時は1000年が流れ、

神々の血を引く少年少女による運命の歯車が廻り始めたのだった。




「今年は我が国では4人も同日で成人を迎えることになるとは」

ここ中央大陸にあるミスラーン王国・ミスティア城の王ロヴェール・シン・ミスラーンは、昔馴染み兼元・冒険者仲間のミストの村の村長ティルクと行き付けの居酒屋で食事をしながら言ったのである。

「そうだな。他国も同じ頃に成人を迎えるそうだが…」

「さすがは耳が早いな。ティルク」

「コレでも村長をやっているから当然だろう。お前も王城ばかりいないで、他国に耳を傾けてはどうだ?」

「そうは言ってもなぁ…。今、あの子…ディフォーネが少し心配なんだ」

「ん?何かあったのか?」

「あ、ああ………」

ディフォーネとは、ここミスラーン王国の第一王女で、愛称はディーネ。アレコレ4年前である13歳で初潮を迎えてからというものの、今まで赤魔法と白魔法を掛け合わせたピンク魔法を主体としていたが、いつからか、赤魔法と青魔法を掛け合わせたパープル魔法を使うようになり、服の色合いも黒や紫を着込むようになったという。

「…確かにそれは心配だな。とはいえ、我が娘のアネットは昔から青魔法だからなぁ。女の子なんだから赤魔法か黄魔法。もしくは白魔法だと言っているのに、聞きやしない」

「別にいいんじゃないのか?本人が好きな色なんだろ」

「それはそうだけどなぁ…。女の子が青好きってのはわしとしては納得いかん」

「ホント…お前は昔から頭が堅いなぁ。少しは柔らかくいけよ。老けるぞ」

「同じ歳のお前に言われたくないな。ってもうこんな時間か。そろそろ帰らないとメイドに怒られてしまうな」

「じゃあ。当日、ロンとディーネを頼んだぞ」

「ああ。先に失礼するよ。ロヴェール」

ティルクは、ミスティア城を後にすると共にミストの村へと向かったのだった。

「何も起こらなければいいが…」

今年は太陽神ミスラーンと暗黒神アスラーンとの戦いから、ちょうど1000年を迎えるということを代々言い伝えられていることから、ロヴェールは、不吉な運命にならないことを祈ったのだった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

とりあえず、プロローグだけ掲載です。

本編は、超絶気長にお待ち下さい。

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