閑話 笹宮まどかの初恋~その4~
楢崎君が好き。
薄々自覚はあったけど,今ならはっきりと断言できます。
同い年と思えないほど落ち着いた雰囲気が好き。
カフェで一生懸命働いてる彼の姿が好き。
カフェの制服姿はかっこよくて,大人っぽいところが好き。
時折見せる少年らしい表情が好き。
上手くない冗談を言って笑わせてくれる気遣いが好き。
『善処します』と口ではいっても,努力してくれるところが好き。
私が『ありがとう』と言うと,ものすごく優しい笑顔をしてくれるのが大好き。
彼のカフェオレは私の『世界』を変えてくれました。
それだけでも感謝しても仕切れないぐらい有り難い気持ちでいっぱいです。
そして今日,彼の家で出来たてのカフェオレを一口飲んで。
彼のことが本当に好きなんだと言うことが実感できました。
彼の『始まり』を知りました。
彼の『夢』を知りました。
私の悩みも,少しだけですが打ち明けられました。
彼のことは,まだまだ分からないことだらけです。
でも。
この溢れるほどの『好き』って気持ちはいつか伝えたいです。
彼の隣で,笑って過ごす未来が見たいです。
恋愛も,将来も,何もかも諦めていた私に,彼は言葉でなく一杯のカフェオレで教えてくれました。
『初恋』という言葉の意味を,教えてくれました。
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