ほどよく気分がゾクゾクしてくるような怖さ加減ですごく読むのが快適でした。一つ一つの話がしっかりとまとまっていて完成している、けれど話と話の間にも繋がりがあって世界の一体感を感じられるのがすごく良かったです。ホラーだからってただ単に人を殺すだけじゃない、奥ゆかしさのある怖さがあって非常に良質な恐怖体験ができたと思います。すごく良かったです。
美しく艶々とした肉付きの良い筆文字で、和紙に綴っているような文章だなと感じました。ナラカは、モキュメンタリーというんでしたか、この書き方は。この作品は角ゴシックかな。最後の作品を紹介する詩文は、誰か絵にかいてくれないかな、という美しさでした。
美しいタイトルの不思議な短編集。 先ずは一つ目の、他人の『死相』を視てしまう友人の話。此岸と彼岸との あわい は間違いなく存在して、それを視る事が出来る者は多分其処に存在しているのだろう。その目に映るものは、否、その者自体が宵闇へと移り変わる刻の陌間に取り残されている。その想いは如何ばかりであろうか。まだ始まったばかりの作品。これから更に不思議な話が増えるのだろうか。宵にかかる頃。 花の色は一層、鮮かさを増してはこの世の境を曖昧にする。後に続いてゆく話を心待ちに。