SS

SS 次は違うところの子供



 かつて、昔の話。


 セブンは王と王妃にこういった。


「私、次は違う家の子供になるわ」


 それを聞いた王と王妃は「自分たちのことが嫌いになったのか」と慌てる。


 すると、セブンは否定しながらこういった。


「そうじゃないわ。王族でいたくないって意味よ。私はもっと強くなりたいし、いろんなものを見たいの。でも王族じゃ、それもできないから。困ってるのよ」


 王と王妃はそういうことかと納得しつつ、申し訳なくなった。


 セブンは一番上の長女であるため、我慢する事が多かった。


 時代の王として、やらねばならない事が山程あったため、不満が溜まっていたのだった。


「でも、お父さんとお母さんの子供で生まれたことに不満はないわ。二人とも私の大好きな人達なんだから」


 セブンは二人を抱きしめて、「だけどそれとこれとは別」と言い放つ。


「もしも私が、私じゃない人生に何かできるなら、生き方を選ばせられるようにしてあげたいの」


 セブンは二人に言いながら、輪廻転生という考えに思いをはせる。


 次の人生があるならば、自分は一体どんな生き方をするのだろうと。



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