remember dream

時刻

第1話異変


鳥の声、目覚ましが鳴り響き平凡な日常が幕

を開ける。

氷織丘(ひおりおか)高校に通っている坂田冬二(さかたとうじ)が目覚め、早々に

「また同じ夢だ」と独り言を呟く。

下の階からレンジで何かを温めてる音がする。

母が「ご飯よーそろそろ起きてきなさい! 」

という声がしたので今日....いや毎日のように見る夢のことを考えながら階段を下った。

その夢は日によって時や場所は変わるのだが一貫してこれだけは変わらない


ー何故か夢に出てくる誰彼々もが事故にでも遭ったかのような不幸そうに見える表情をしているー

この世界では自分が生まれて最初に見る"夢"が自分のモノとなる。

例えば自分が空を飛ぶ夢を見たら実際に現実でも飛ぶことができるようになる。

ただ都合よく便利な夢を見れる人は極々僅かで大抵は平凡な夢を見、変わりばえのしない日々を送っている。

そして"夢"は一度しか見れないという不思議な理が存在している。

だから彼が何度も夢を見れていることは世の理に反している正に異常的存在なのだ。

一階に降りてきて「また同じ夢を見た」と話すと慣れたように「そう」と感情がこもっていない相槌をうたれ夢の話は終わった。

母は夢に出てきた人と幸せな生活をおくるという夢らしい夢を見て今も父と幸せそうな日々を送っている。

羨ましい

父と母の関係性というよりは、母の見た夢に時々そう感じることがある。

ー俺もこんな夢を見ることが出来ればー

そんな叶うはずのない戯言を心の中でこぼし

いつものように学校へ向かう。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

remember dream 時刻 @tokitoki08

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ