素直になることが、どうしてこんなに怖くて、こんなに嬉しいんだろう。
- ★★★ Excellent!!!
この物語、心に深く響きます。志帆の感情の揺れ動きが丁寧に描かれていて、読んでいるこちらも思わず感情移入してしまいます。「虚勢」と「素直さ」というテーマが巧みに織り込まれており、主人公の視点を通して描かれる彼女との関係性が、とてもリアルに感じられます。
蛍の儚い描写や、満月の夜の静寂な背景が、心情の変化や希望の象徴として美しく機能しているのも印象的です。読み進めるうちに、主人公の内なる葛藤や成長が穏やかな風景と共鳴し、読後には静かで前向きな余韻が残ります。