第4話 覚悟


家から車で5分くらいの距離にいる。

表示されているのは持っていたカードと同じマークのラブホテル。


いる。今。

友達とサウナと言って出ていき、ラブホテルにいる。


一気に目が覚める。

でも暫く何も考えられない。


そして思い立ったら即行動したいタイプの私。

行きたい。確認したい。

今いると分かっているのに、じっとしてなんかいられない!


寝ている子ども達をおいていくことになる。

罪悪感がすごい。

私がいない間に起きてきたらどうしよう。

乳幼児健診の問診項目に、

【子どもだけおいて、外出したことはありますか?】

というチェック項目が頭の中でぐるぐるする。


もう乳幼児と言うほど小さい年齢ではないけど、心の中で何回も何回も謝った。

愛おしい寝顔に引きずられて、覚悟に時間がかかった。

ごめん、すぐ戻るから…



私は音を立てずに寝室を出る。

静かに燃えた心臓を持って。




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