電車で読むのは、厳禁です!
- ★★★ Excellent!!!
志乃亜サク様の日常は、なぜこんなにもドラマチックで不条理、そして愛に満ちているのでしょうか...。
このエッセイ集は、まさに「箱推し」したくなる家族の物語であり、読むたびに「自分の日常にも、こんな可笑しな瞬間があるのではないか」と考えさせられます。
しんみりするような日にすら、しんみりさせてはくれない不条理感。その一貫したユーモアの視点が、この作品の真骨頂です。
特に「ヌルポン!」に代表される、オノマトペひとつで緊迫感と解放感が同時に表現されるような不思議な抜け感は、病みつきになります。
不運や情けなさすらも、最終的には笑い飛ばして昇華する力強さ。そのポジティブな視点こそが、私たちが現実の困難を乗り越えるための人生の知恵のように感じられます。
面白くて、優しくて、時にホロリとさせられる。読後感はいつも温かく、最高の作品集でした。ありがとうございました!