狼娘の恋物語
【心と掟】
木々のざわめきが心地よい、夕暮れの村道。
人狼の娘ヴェルは、しっぽを揺らしながらスキップしていた。
褐色の肌には夕陽の赤が映え、ふわりと広がる銀の髪がきらめいている。
──ジム、かわいかったなぁ。
昼食のサンドイッチを半分こして、書類の山を抱えたジムが「ありがとう、ヴェル」と照れた顔で笑った。それだけで胸がいっぱいになる。
「うへへ……今日はジムが夢に出てきそう……」
うっとりとした顔で帰宅の門をくぐろうとしたそのとき、背後から低い声が落ちてきた。
「──ヴェル。」
「ん?」
振り返ると、そこには堂々たる風格の男。
族長であり、ヴェルの父ヴァルフが立っていた。
灰色のたてがみのような髪、筋骨隆々の腕、そして常に戦士としての眼差しを宿す瞳。
威圧感が、空気を震わせる。
「その顔……あの人間と会ってきたな。」
「えっ……あ、うん。ジムとお昼食べてただけだよ? 何か悪いこと?」
ヴェルはしっぽをきゅっと巻き込みながらも、はっきりと答えた。
だが父の反応は冷徹だった。
「──あの小僧とは、別れろ。」
「……え?」
心臓が、止まった気がした。
冗談であってほしかった。
だが、父の目には興など一切含んでいない。
「おまえは族長の娘。ならば、村で最も強き者と結ばれ、次代の族長を産むのが務めだ。」
「……それ、本気で言ってるの?」
「我らは戦士の民。外界の価値観に惑わされてはならん。」
「でも! でもさ、ジムは……!」
ヴェルは拳を握りしめた。言葉が溢れた。
「あの人、優しいよ。
書類整理が得意で、どんなに忙しくても村人の相談に乗ってくれて……言葉も丁寧で、誰かを見下したり、怒鳴ったりなんてしない。
ちゃんとあたしを見てくれて、話してくれて……っ!」
涙が滲んだ。
怒りと悲しみと、信じられないという気持ちが混ざった。
「大事なのは、心でしょっ!? 力なんて、野蛮なだけじゃんっ!!」
しかし、父の目は微動だにしなかった。
「──心では、村を守れん。
力なき言葉など、吹けば飛ぶ砂塵と同じだ。
我らの歴史は、血と牙で築かれてきた。
言葉で他部族を止められるなら、戦は起きぬ。」
「それでも……!」
「聞く耳は持たん。掟に従え。力こそが全て。」
言い捨てるように背を向けた父の背中は、大きく、そして冷たかった。
***
【ひ弱な村役人】
ヴェルは、翌日ジムのもとへ向かった。
人間の村役場の裏、陽のよく差す小さな庭。
ジムは帳簿の束を広げ、ペンを走らせていた。
額には汗。
眼鏡は少しずれ、背筋は丸い。
「ジム!」
その声に驚いて顔を上げた彼は、いつもの優しい笑顔を向けた。
だが、ヴェルの表情は沈んでいた。
「どうしたの? 何かあった?」
ヴェルは、彼の前にしゃがみ込むように座り、ぽつりと打ち明けた。
「……お父様に言われたの。ジムとは別れろって。村の掟で、強い男と結婚しろって。」
「……ああ……やっぱり、そう来るんだね。」
ジムは目を伏せた。
無理もないと理解していた。
でも、胸が切なく軋んだ。
ヴェルはその手をとった。
「でも、あたしはイヤだよ。そんなの……絶対イヤ!」
ジムの指は、細くて、温かかった。
ふたりが、互いの存在にだけ集中していた、そのときだった。
「おいおいおいおい~~? なんだぁこれはぁ?」
不快な声が響いた。
背後からのその声に、ヴェルの耳がぴくりと動いた。
「またその紙クズみてぇな人間とベタベタしてんのかよ、ヴェルちゃ~ん?」
草むらから現れたのは、ガタイのいい獣人──ガロンだった。
その後ろには、手下らしい若い獣人が2、3人。
悪意を顔に貼りつけて笑っている。
「ジムっていったっけ? おまえさ、なにしてくれてんだよ。ウチのお姫様に寄生でもしてんのかぁ?」
「……そんなつもりは……」
ジムが立ち上がろうとしたその瞬間、ガロンの手下が彼の肩をぐいっと掴んだ。
「邪魔なんだよ、書類虫。」
台詞と共に、乱暴に突き飛ばした。
「わっ──」
ジムの身体は地面に叩きつけられ、顔が泥塗れになる。
ヴェルは反射的に駆け寄り、彼をかばうように抱き起こした。
「やめてよ! なんでそんなことするの……!」
「へえ、庇っちゃうんだ? ってことは、マジでこのカスが好きってわけ?」
ガロンがにやにやと近づいてくる。
その視線が、ヴェルの身体をいやらしく這った。
「ったく、もったいねぇな。せっかく発育いいってのに。オレの嫁になれば、夜通したっぷり可愛がってやるってのにさァ?」
ヴェルの耳がピクリと震えた。
しっぽが立ち、背筋が強張る。
心が、冷たく凍るような、生理的な嫌悪感。
ガロンの笑い声が、粘ついた泥のように響く。
「……ガロン。あんた、本当に最低だよ!」
ヴェルはゆっくりと立ち上がった。
怒りというよりも、深い軽蔑を込めた声だった。
その態度にガロンは鼻を鳴らす。
「なーんだよ、そんな顔して。獣人の村のルールじゃ、強いヤツが正義だろ? オレは正しいこと言ってんだぜぇ?」
「……力を、振りかざすだけのやつが正しいって、いつ決まったの?」
静かに言うヴェルの背後に、ジムが立ち上がる。
埃まみれの服を整えながら、一歩、前に出た。
「ガロン。僕と……決闘をしてくれ。」
しんと、空気が止まった。
「はぁ?」
「君がヴェルの心を傷つけたから、僕は、それを止めたい。たとえ勝てなくても、挑まずにはいられない。」
静かな声だった。
だが、ヴェルには、それがどんな大声よりも力強く響いた。
「ぷはっ……マジで言ってんのかよ? おい、聞いたか?」
ガロンと手下たちは腹を抱えて笑った。
でもその中で、ヴェルだけは、涙をこらえて俯いていた。
──この人は、ほんとに、素朴で、愛おしい。
***
【特訓あるのみ】
決闘を申し込んだ翌朝。
ジムは後悔していた。
「これ……本当にやるの……?」
「やるのっ! 本気の決闘なんだから、本気の修行じゃなきゃ意味ないでしょ!」
ヴェルは拳を握りしめ、やる気に満ちあふれていた。
ジムはというと、全身を拘束する謎のギブスで、すでに膝が笑っていた。
「これ、何キロあるの……?」
「うーん、知らない。でも昔の族長が、これをつけて動けるようになったら岩を割れるって言ってたから間違いないよ!」
その言葉に、ジムはふらつきながら、ひきつった笑みを漏らした。
***
修行第一日目。
場所は村の断崖絶壁。
「さあ! ここからジャンプ!」
「は!? ちょ、ま、まって!」
「ロープついてるから死なないって!」
ジムは泣きながら飛んだ。
ロープが伸びて、ブンと空中に引き戻され、ぐるんぐるん回った。
「ひ、ひぇぇぇぇ……っ」
「いいね! じゃあ反復百回!」
***
二日目の朝、ジムは満身創痍のまま、ヴェルに渡された桶を見下ろしていた。
「……なにこれ?」
「生卵!」
「……何個?」
「百個!」
「これは殺す気では……? サルモネラ菌とか大丈夫……?」
「卵は筋肉になるって、ばあちゃんが言ってたの! 筋肉は正義で最強! さ、飲もう!」
ジムは泣きながら啜った。
半分を超えたあたりで倒れた。
ヴェルは、ハチミツをかけて励ました。
「愛情ブーストだよ! がんばれ!」
***
午後、ジムは筏の上に立たされていた。
「今から、滝の上から丸太を落とすから避けてね!」
「丸太!?」
「これは回避能力を鍛える、伝統の修行なの!」
「どんな流派なんだよ、それぇえぇ!」
ドゴオオオン!!
川面をかすめて落ちてきた丸太は、ジムの足元をギリギリでかすめた。
圧倒的物量の暴力。
直撃=死のコース。
避けた勢いで水に沈んだジムを、ヴェルが引き上げる。
「大丈夫!? でもいい感じだったよ!!」
「死……ぬ……」
***
そして最終日。
急斜面から転がってくる、炎で焼いた大岩を迎撃する特訓。
鬼の形相で上から転がしているのは、ヴェルである。
「さあジム! 渾身の力で破壊して! 半端な壊し方だと焼死するよ!」
「熱いってレベルじゃ……うああああぁぁああっ!」
灼熱の巨石を躱すたびに、地面は焦げ、衣服は焼け、ジムは叫び声をあげた。
それでも、彼は止まらなかった。
「僕は……! 君を……守るって……言ったから……!」
ギブスを引きずりながら、卵で弱った胃を抱えながら、ジムは走った。
ヴェルは目頭を押さえながら、なおも燃え盛る大岩を転がし続けた。
***
【焚火】
夜の空気は冷たかった。
焚き火の光が揺れ、虫の声がかすかに聞こえる。
ジムはひとり、役場の裏に置いた木製の模擬刀を手にしていた。
ひ弱な彼には重くて扱いにくくて、三日間の地獄の修行を経ても、ようやく前に振れるようになっただけだった。
──あれら、本当に意味あったのかな……。
特訓というより異端審問の拷問に近い。
焼いた大岩を落されるとか、神罰を喰らう異教徒の説話みたいだった。
ジムは小さくため息をついた。
と、そのとき。
物陰から誰かの鼻をすする音が聞こえた。
そっと覗くと、木の根元に座り込んだヴェルがいた。
耳を垂れ、しっぽを抱きしめ、目を潤ませていた。
「……やっぱり無理だよ、ジム。」
気づかれたことに驚く様子もなく、彼女はぽつりと呟いた。
「修行させておいて……ごめん。でも、あたしには、もうわかってるの。生身の人間が獣人に勝てるわけないって……」
「……」
「あたしが黙って嫁に行けば、それで済むんだよ。そうすれば、あなたは……」
声が震えていた。
その小さな震えが、ジムの胸に鋭く刺さった。
ジムはそっと、彼女の隣に座り、ふるえる手でその手を握った。
「違うよ、ヴェル……」
その手は熱くて、少し湿っていて、でも、強かった。
「強くなれなくても……守れなくても……それでも、君を守りたいと思ってる。」
ジムは笑った。
喉の奥が詰まりそうだった。
でも言葉は続けた。
「僕にできることなんて、ほとんどない。剣も振れないし、筋肉もないし、あのギブスもまだ肩に食い込んでる……」
「……」
「でも、それでも、君が泣くのを見たくない。君の心を守りたいって思ってる。それが……それだけが、僕の願いなんだ。」
ヴェルは、ふっと笑った。
涙をこぼしながら、それでも無邪気で、どこか少しだけ、ほっとした笑顔だった。
「……あたし、ほんとバカだね。結局、力をつけられない頼りないコーチだったよね。」
「ううん。君がいたから、僕はここまで来れたよ。」
そう言ったジムの心には、正直な思いがよぎった。
──とはいえ、毎日死ぬかと思ったよ……
──断崖絶壁から本当に落ちかけたし……
──焼いた大岩を砕くとか、誰が考案したの……
だが、それを言う勇気はなかった。
なにより、ヴェルが心から心配してくれているのが、痛いほど伝わったから。
「……ありがとう、ジム。」
「ううん……こちらこそありがとう、ヴェル……」
二人は焚き火の前で寄り添い、夜が更けるまで、静かに手をつないでいた。
***
【決闘】
その朝、村の広場には、全住民が集まっていた。
獣人の伝統に則り、決闘が厳かに執り行われる日。
石造りの祭壇に立つのは、族長ヴァルフ。
ヴェルの父であり、この掟の執行者である。
「これより、婚姻を賭けた決闘を開始する──」
低く響く声が、空気を震わせた。
「挑戦者、村役人ジム=ハーウィン。
対するは、一族の戦士、ガロン=グラッジ。
勝者には、族長の娘ヴェル=フェンリリアを与える──」
その宣言に、歓声が上がった。
いや、歓声というより、嘲笑混じりの興奮だった。
「無理だろ、あんなの!」
「細い!腕が柳!」
「ガロン様、軽くひねっちゃって!」
ジムは、ぷるぷると震えていた。
模擬刀を両手で握ってはいるが、足がすくみ、全身が硬直していた。
「ひっ、ひぃ……」
観客席の最前列に立つヴェルだけが、真剣なまなざしで彼を見ていた。
その瞳は、祈るように、叫ぶように、ただまっすぐに。
反対側では、ガロンは余裕の笑みを浮かべていた。
「おうジム~、生きて村出られるといいな?」
そして──
「始め!」
号令と同時に、ジムが叫びながら駆けた。
模擬刀を振り上げ、真正面から突っ込む。
「せいやああああっ!!」
だが、それはあまりにも単純すぎた。
ガロンは片手でその剣をいなし、反対の拳でジムの腹に一撃。
「がはっ……!」
ジムが崩れ落ちる。
観衆の笑い声が、爆発した。
「なにあれ!」
「ネズミかよ…」
「いやもう、雑魚すぎじゃん!」
「ガロン様〜!強い〜!」
取り巻きたちは、ガロンを囃し立てる。
ガロンはまるで猫がネズミを遊ぶように、ジムを立たせては殴り、蹴り、また立たせては殴り倒した。
顔が腫れ、息も絶え絶え。それでも、ジムは立った。
ふらふらと、足を引きずりながら。
「おい、あいつまだ立つのかよ……」
「……もう止めさせてやれ、ガロン。」
族長は呆れ顔でそう呟いた。
自分の娘を与えるなど、もはや言語道断といった風だった。
だが──ヴェルの目は、変わらなかった。
むしろ、その瞳には涙が溜まりはじめていた。
ジムは、ぼろぼろの身体をひきずり、最後の一歩を踏み出す。
「わああああああっ!」
模擬刀を構え、目を、瞑った。
まるで子供のような、無防備な突進。
それは一見、あまりに滑稽だった。
「もういいっての……」
飽き始めたガロンは、目に見えて苛立ちを滲ませ、拳を握った。
そして──それは、明確な殺意だった。
「──死ねよ、小役人。」
次の瞬間。
空気が裂けた。
音もなく、風が唸った。
ヴェルの拳が、空を貫いた。
打撃音は一瞬だった。
ガロンの顎に吸い込まれるように放たれた、音速の衝撃波が直撃。
その瞬間、獣人の身体が宙に高く──高く浮きあがった。
ドガアアアアアアン!!!
石畳を砕きながら、ガロンが落下し、白目をむいて昏倒する。
ぽてっ。
その直後、ジムの模擬刀が無防備な彼の額に、ぽこんと当たった。
「……やった、僕……勝ったの……?」
呆然とつぶやくジム。
観衆は沈黙した。
「ちょ、お前……!」
族長が血相を変える。
「反則……だよな……?」
ガロンの取り巻きの一人が言った。
次の瞬間、取り巻きたちは全員吹き飛んだ。
ヴェルの拳が、つるべうちのように放たれたのだ。
不可視の衝撃波が、一人、また一人と吹き飛ばして、石壁に人型の穴を空けていく。
「……ひっ……!」
残った者たちは口を閉ざした。
ヴェルは、何も言わなかった。
ただ、無言のまま──殺意の闘気を纏っていた。
――フェンリリアの血。
それは古代の神話に出てくる、巨狼フェンリルに連なる暴威の血統。
万物を喰らう災厄の象徴。
戦の神々すら恐れた存在。
ヴェルはその血を、誰よりも濃く受け継ぐ暴走因子の極地だった。
その殺意を前に、村人たちは、言葉を失った。
誰も、声を出さなかった。
村は──完全に、沈黙した。
やがて、族長が一歩前に出た。
その大地を踏みしめる音だけが、会場に響いた。
「……ヴェル。」
重い声で、彼女を呼ぶ。
だが、ヴェルは何も言わず、ただ父を見返していた。
その瞳には、はっきりと刻まれていた。
──力なき者の言葉など、無意味。
族長の胸に、耐え難い戦慄が走る。
唇がわずかに動いた。
何か言おうとした。
だが、その瞬間、ヴェルの身に纏う闘気が──その意志が、彼の声を押し潰した。
──力なき言葉など、吹けば飛ぶ砂塵と同じ。
──我らの歴史は、血と牙で築かれてきた。
それは咆哮のような威圧。
理屈や感情をねじ伏せる、純然たる力による正義。
族長は、目を見開き、口を閉じた。
何も言えなかった。
言葉の意味が、すでに無力だった。
──筋肉は正義で最強。
実の娘の、どこまでも脳筋で、野蛮で、フィジカル全振りで、問答無用の暴論を前にして。
かつて村を背負った戦士の眼に、ゆっくりと敗北の光が宿る。
「……認めよう……勝者……ジム……」
かすれた声で、そう言った。
もはや、それが力の掟に生きる者としての、唯一の選択だった。
やがて。
ジムとヴェルは、静かに向き合った。
「僕……勝ったんだね……」
「うん。ほんと、がんばった。力なんかじゃない……あなたの心が勝ったんだよ……」
「……君を守れて、よかった……」
「……ありがとう、ジム。」
二人は、ひしと抱きしめ合った。
彼の腕は、まだ震えていた。
彼女の心臓は、早鐘を打っていた。
村の者たちは、とても微妙な表情でそれを見つめていた。
***
【終わりよければ全て良し?】
それから数年。
ジムとヴェルは、たくさんの子宝に恵まれた。
男の子も女の子も、どの子も元気いっぱいで、耳としっぽをぴこぴこ動かしながら走り回っている。
ジムは毎日お茶を淹れながら、帳簿の横で「危ないから壁を登っちゃダメー!」と叫び、ヴェルはそれを笑いながら見守っていた。
「はーい、今日の晩ごはんはドラゴンのお肉と骨! 殴って柔らかくしてねー!」
「はーい!」
子どもたちは全員、素手で叩き割ってから食べる派だった。
そして──
かつて力こそ全てと主張していた族長ヴァルフも、いまや孫たちに囲まれ、村の木陰で日向ぼっこをしている。
「じいじー!」
「じーじ!」
「じいじぃぃぃっ!」
ひげを引っ張られ、耳をかじられ、しっぽでじゃれつかれ。
それでも彼は笑っていた。
まんざらでもない顔で。
「お、おいこら……! そこはっ……わしの耳じゃ……っ!」
──幸せな日々だった。
──だが。
子どもたちの中には──
生後三ヶ月で山を一撃で崩した子がいた。
泣き声で天候を変える子がいた。
まだ文字も読めぬ幼児が、他国の守護神と対話した記録もある。
その力の源は言うまでもなく──
母ヴェルの血に流れる、破滅の巨狼フェンリルの因子である。
──この一族の台頭により、後に世界のパワーバランスは大きく変わることになるが、それはまた別のお話。
とりあえず、めでたし、めでたし。
FIN
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