ウィークエンド・ジャンキー

@shukua

アホたち

カズヤと渋谷で会う。おれは約束した時間きっかりにハチ公の喫煙スペースへ行った。待ちながらタバコを二本吸った。遅れたカズヤは悪びれることなく洒落を飛ばす。それより変貌したやつの外見だ。タイのバンコク以来だいたい八ヶ月ぶりに会うカズヤは激烈に太っていた。なあ、毎日こいつはラードでも舐めて暮らしてたのか?


「オシャレになったな。シャブやめた効果はテキメンじゃないか。ダイエット本でもだしてみないか? 運がよければ逮捕されるぞ、貴様」


「シャブなんかやってませんよ」


「そうか、じゃあ早くも実家の京都が恋しくてヤケ食いでもしてんの?」


「別に恋しくないです。運動不足なだけなんで」


「まあいいや。仕事はどう?」


「もうやめたいっす」


「もう?」


「疲れました」


「辞めたきゃ辞めればいいじゃん」


「そうもいかないんですよ」


「なんで? きみ次第だろ」


「そうなんですけど……」


「いまそんなに悩んでると、三十前には自殺してるぜ?」


「それはないですよ」


「そりゃそうだな」


交差点の信号を待ちながら、カズヤはビルにはめこまれたTVが流す女ボーカルのPVを見ていた。からかってやるかと、おれは混雑にまぎれ後方へ移動した。


カズヤは突然消えたおれを捜しまくっている。どすええ、どすええ。これが東京だよ。寺と伝統しかない京都の田舎じゃないんだ。

で、隠れるのにも飽きたんでやつの肩を叩いた。


「いた。どこに行ってたんですか?」


「その辺」


「置いてかないで下さいよ。友達の家知らないんだから」


「携帯鳴らせば一発じゃん」


おれたちは街を歩いた。カズヤは通りすぎる女の批評をはじめた。


「なんでおまえが選ぶ女はどいつもこいつもファックの役にしか立ちそうにない量産型ばっかなんだよ?」


「相変わらず悪い人だぁ」カズヤはクククと笑う。


スーパーで酒と菓子を買った。佐藤さんから『いまどこ?』とメールが着た。おれは『向かってます』と返信した。


ファミレスの前で赤い顔したおっさんが卑猥な言葉で通行人を脅し、周囲の注意をひいていた。通報してやろうか、おれはポケットの携帯を指で撫でた。


「いっちまってんな」おれがいった。


「酔ってる?」


「当たり前だろ、酔ってなかったら大変だぞ、あの赤い顔は? まんま赤鬼じゃないか。サイコパスでサイケデリックだ」


「あそこまで堕ちたら……終わりですね」


「や、あそこまでぶっ壊れたら案外楽しいかもしれんよ」


駅前、商店街、マンション群をかわす。路地を二本抜け、角を三回曲がった。壁にこげ茶色のペンキをぶっかけた集合住宅。とりあえず老朽化は隠したぜって意図が透けた情けないクオリティ。一番上の階、といっても三階、脇の階段から駆け上がった。


チャイム押下して、ドアノブをひねる。開いていた。土と石鹸とハーブが混ざったような冷たい香の匂いが鼻につく。天井は絞り染めや原色のアジアンな布で覆い隠されている。さらにそこから蛍光の糸がまばらに垂れ下がり、壁や床には無造作に国籍不明のアンティークの数々が置かれている。


部屋の奥に黒い服を着た化粧の濃い女、ギャル男とオタクっぽい男、ゆったりした絞り染めの服を着てタバコを吸う佐藤さん。おれたちはあいさつしながら靴を脱いだ。好奇、三人の目。連中と順番に握手する。おれは土産のチップスとビールをだした。


連中が自己紹介した。年は割といってる感じ、どこかの国のサッカーチームのユニフォームを着たガングロの男がケンジと名乗り、次にぬらりひょんを少し男前にしたようなオタクが狂ってるのかラブと名乗った。女は金がかかってそうな服装だ。だが年を食いすぎてる。ジュリアナ世代の生き残りか?……盛大に不合格だ、ババア。てめえの時代はとっくに終わってるんだ、敗者復活戦は永久に来ねえぞ。


乾杯。チップスを開けた。


「ケンジは代々木公園に住んでるんだ」いいながら佐藤さんはウィスキーを呷った。


「へえ」


「自分で設計して自分一人で建てたんだよ」ルンペンは不法に公園へ小屋を建てたことを誇らしげにいった。そういえば、代々木公園の奥の方にビニールシートや段ボールや板を組み合わせたDIYな小屋があったな。あそこに住んでやがんのか。


「すごいじゃないですか」カズヤが悪ノリしておだてる。


イモ平は早口で苦労話をする。おれは合間に「ええ」「はい」「なるほど」「そうですね」「いいですね」「すごいじゃないですか」と返答した。


ビールをひと缶開けると、おれはサイケデリックトランスのミックスアルバムをセットした。


乞食は遠慮なしにおれが持参した菓子を啄ばみ、ビールで喉を鳴らした。


突然、片割れのラブが数年前から肉を食ってないといいだした。


「何で肉を食べないの?」おれがきいた。


「カルマのない食事を目指してます」


「カ、カ、カルマ?」


「ええ、カルマのない食事です」


ラブはクンニリングスを覚えたての高校生のように生意気な態度でアニマルライツがどうと主張する。おれはあくびがでそう、カズヤと佐藤さんはおれほど露骨じゃないが首をかしげていた。


ギャル男は食欲を満たしたあと、身体を丸めたり両手を突きだしたり、何やら病気の仕草を開始した。


「宇宙と交信でも。UFOマニアだったんですか?」おれがきいた。


「太極拳だよ、太極拳。あと、独自にヨガの呼吸法をとり入れてる」


他人から見られてることを知ったもったいぶった間をおいて息を吐く。年季が入ってるせいか、なかなかハッタリがきいていた。


しばらくすると、ラブが立ち上がり部屋からでて行った。あいさつもなしで帰ったのか? とんだカルマ野郎がいたもんだぜ。台所では、佐藤さんが床に寝袋を敷き、年増をマッサージしだした。女をうつ伏せに、その上から佐藤さんが乗っかかり、ゆっくりと背中を揉んでいる。おれの位置からだとバックから挿入してヨガッてる風にしか見えないが。


おれは冗談でギャル男に職業をきいた。


彼はおれの問いに一秒くらい固まって「手広くやってるよ」とぎこちなくいった。そして「おれはデザイナーだし、設計もやってる。服も作ってる。絵も描いてる。イベントをオーガナイズしたり、アイデアを会社に持っていって興行を打つ手助けもしてる。アイデアマンだよ」と0.1秒の半分でバレる嘘を並べた。彼の言葉は、アルコールが注入されたこの場所できく笑い話としては最上の部類に入る。


「ところで、将来の夢はあります?」


おれの問いにカズヤと佐藤さんは噴き出した。


「恵まれない子供をバスに乗せて海へ連れて行ってやりたいね」


「恵まれない子供の基準は何ですか?」


「金がない家庭の子供や、孤児の子とかさ。まずは日本からスタートさせていずれは世界中をまわりたいね」


「ほう」


おれの露骨に蔑んだ表情を見てドギマギしたケンジさんは挽回しなければと思ったのか、即興の、穴だらけの与太話をはじめた。


「みんなでさ、人を集めてイベントをやろうよ! 酒やタバコの会社とか大企業のスポンサーをバックにつけてさ。面白くなるよ、そこから入った数百万の金をおれたちで均等に分けてさ。イベントが終わったら利益を分配、ボンボンボンッて札束をおれたちの前に置くんだ! その金はどう使っても個人の自由! 服を買ってもいいし、旅行に行ってもいい。女に使うのも自由だ。その金でまたイベントを開いてもいいしさ。最高だろう!」


ケンジさんは身振り手振りの熱演で、すっかりハイになりケタケタ笑った。誰もそのプランに賛同しなかった。 おれは酒を、芋焼酎をグラスに注いだ。


「まあ、飲んでくださいよ」ケンジさんに渡した。カズヤを軽く小突き「ほら、この人はいい話をしてるんだぞ。もっと真面目にきけよ」と叱責した。


ケンジ先生は現在の日本の政治をありきたりの眠たい意見で批判し、首相は早く辞任すべきだとのたまった。


「次は誰がなったらいいと思います?」


「そうだな、おれがなったら一番いいんじゃないかな」


あんまり真剣な顔でいうのでおれたちは言葉を失い、次に盛大に笑った。ケンジさんはいきなり実現不可能な政策をぶちまけた。


「おれが総理になったら日本銀行で金をジャンジャン刷って国民全員にばら撒くね。道で配ってもいいよ。金があったら何でも買えるじゃないか。金は強いからな。金があったら犯罪も減るだろうし、売春する女もいなくなる。みんなが幸せになるんだ」


本気かよ。


「金を刷るだけだったら貨幣価値が下がってインフレになりますよ」おれがいった。


「インフレ? いいよ、いいよインフレになって! とくかくみんなが金持ちになることが重要なんだ。この世から金の意味をなくしてやればいいんだよ。欲しいものを欲しいやつに与えればみんな喜ぶしさ。金はすごいよ」


「そうですか」


「例えば金があったらおれはきみを支配できる」ケンジさんはカズヤを指さした。カズヤは頷いた。


「金があったらきみはおれのいうことを何でもきかなきゃいけないんだ。金はすごいぞ、この世で一番すごい。金があったら好きなものを買える、なんでも出来るんだ!」


虚言の洪水。


この人道主義の先生は、現実的なプランはなにも持っていなくて、いってることは行き当たりばったり無茶苦茶な筋の通らぬもので、自分の言葉で他人を圧倒することが目的のようだった。


ラブは戻ってこない。帰ったらしい。挨拶はなかった、図々しいカルマ野郎だ。佐藤さんは真剣な表情で女の腰まわりをさすったり足を持ち上げたり、自己流カーマ・スートラに取り組んでいた。女も安心して変態親父に身を任せている。案外二人はファック済みなのかもな。


ケンジさんが「おれはブックオフでJ・WALKと出会って以来……」と語りだした。


「……いやぁライブ版は上がるねえ」


カズヤが女にもてないとネタを振った。俄然ケンジさんは勢いづき、男はいかついよりギャル系がもてるよ、とアドバイスし、若い頃はね……と延々自慢話が続き、おれはもう相槌を打つ程度にしかきいてなくて、スピーカーから流れる古いロックのメロディを追っていた。カズヤは口下手で女と上手く話せないといい、それをきいていた佐藤さんが「だったらケンジを女と思っていまから口説く練習をすればいいじゃん」とアイデアをだした。


カズヤがケンジさんの隣に腰かけた。二人は見つめあった。カズヤは緊張してるのか声がだせない。ケンジさんも照れていた。佐藤さんがさっさとやれとヤジを飛ばした。一分後にようやくカズヤがギブアップし、ケンジさんのデート指南は終了した。


「最近、オーガナイズしたイベントは何ですか?」カズヤがいった。ケンジさんは慌てふためき、首を捻った。返答に困りまくってるのは明らかで、カズヤもおれもケンジさんを晒し者にして話題を変えてやらない。


「来週、イベントがあるよ。一応おれも参加するんだ。スタッフだけどね……」と歯切れの悪い回答をした。


「今度女の子紹介しますよ!」ケンジさんは話をそらした。


「ほう」おれがいった。


「うちに遊びに来る子はみんな彼氏がいないんだ。でも、本当にいい子。かわいい子ばかりなのに。どんな子が好き?」


「色白でかわいい感じの子がいいですな」とおれ。


「ああ、そういう子ばかりです、うちに遊びに来る子は。絶対紹介します、絶対!」


「そうですか」


「番号を教えてくれたら電話しますよ」


おれはケンジさんを無視してカズヤに話しかけた。


ケンジさんはおれたちから離れ「友達を呼んでいいですか?」と佐藤さんにいった。


「えっとなケンジ、これからあいつらと真面目な話をするんだ。もう帰ってくれ」佐藤さんはおれを見た。おれはわけ知り顔で頷いた。


「わかりました。帰ります」


ケンジさんはドアまで行ったが引き返してきて「紹介する女の子の背はこれくらいがいいですか?」と自分の首のあたりを指した。


「背はこだわらないですよ」おれがいった。


「おまえ、もういいからさ。そんな話は」佐藤さんはうんざりしていた。


ケンジさんは目元と口元を震わせ、力をこめた笑顔を、必死の形相を、それは誰かにかまってもらいたくて仕様がない人間がする顔だった。


ケンジさんはおれとカズヤの返答を待っていた。


おれもカズヤも無言、いうべきことがなかった。


「じゃあ」佐藤さんはドアを閉めた。閉め際に見えたケンジさんはさっきの固まった笑顔のままだった。


「重症だな」おれは部屋のなかへ引き返した。


「全部嘘っぽかった」


「アレは病気だよな」


「異常者です」


「ドア閉める前の顔見た?」


「見た! 超気持ち悪い顔!」


「なんだろう、小学生のときいたよな、ああいうの」


ケンジさんが追いだされた三十分後にラブ、来襲。


「屋上で空を眺めてました。シャンティでした」


シャンティだと? ふざけたことを。しかも得意気な顔してやがんのがイラつく。このインチキ野朗になにか罰を与えてやろうか……


「ほい」佐藤さんは巻いた凡を渡してきた。おれらはガツガツ吸った。ブォンと頭がブレた。かなり良い草だ。重くなくむしろアッパーになってる。おそらくスカンクだろう。踊り用にでも買ったやつか?佐藤さんを見るとどうだ! と言わんばかりの笑み。


「むっちゃいいですね、これ」自分が発した言葉なのに音の高低差がついて語尾がジュワッと歪むよう。


「さてさて、秘密兵器を出すか」佐藤さんはフォッグを焚いた。こいつの出番は新年以来か。一般家庭の自室でフォッグを炊ける環境ってのもやばいが、そもそもイカれてないと買おうとすら思わないだろうな。


壁に数本のブラックライト、台所で焚かれたフォッグを透けて、おれの両腕は薄緑色の皮膚、消えかけた煙を纏い、ライトへ身体を寄せた。おれは化学工場で検査待ちのモルモットが金網を齧ってキイキイ鳴くヴィジョンを遊戯、頭のなかはとんでもない状態だ。 部屋はフォッグから噴出された霧がたちこめ真っ白、数十センチ先すら見えない。アイテムに興奮したカズヤとラブが騒ぎだす。

佐藤さんと年増はできあがって寝てしまった。ラブはグデングデンでおれと目があうと、顔をクシャクシャにして微笑んだ。楽しくて仕方がないらしい。


さて……


「ラブ君、君のために新しい健康法を考えてやったよ」 


「なんですか?」


「君の大好きなフリーダムだよ」


「何です?」


「全裸で外にでてみよう。ラブ&ピースの基本じゃないか」


「いいですよ。一緒に行きましょうよ」やつは普段から実践しているのか嫌がる素振りはしなかった。


「その意気だ。素晴らしいぞ、君は」


おれは喜びに、こいつ本物だとほくそえんだ。コンビニで買ったプリンをストローで吸っていたカズヤが「最高ですよね」と笑った。


おれはグラスに焼酎を注ぎ、うっかり正気に返らぬようとどめの酒を飲ました。


「イッキだろ?」


「飲みます!」


ラブは酒を流しこんだ。そして、ベルトを緩め、ストンとズボンを床に落とした。


「上は着ていいですか?」


「いいよ」


ラブは青いブリーフを脱いでズボンと一緒にたたんだ。Tシャツは腰より下まで届いているが、この男が何もはいてないことは一発でわかる。


「行こうか」


笑いの兆候が腹に控え、目にも涙が。


ドアへ。


「行きます!」


ラブは気合を入れ、勢いよく部屋から飛びだした。Tシャツがめくれ上がり、プリンとしたケツが暗闇に浮かんだ。おれは「ブォッ」と破壊的な音をたて噴きだした。身体を二つに折って腹を押さえ床に崩れ、息ができない。


外。


ラブの追跡を開始する。


腹筋に痛みが走る。敷地をでて道路へ。


発見、カルマ野朗はアパートの前をジョギングしていた。


おれは皮膚を破りかねない危険な痛みを横腹に感じて、数メートルおきに片膝をつき、深夜だから声をもらさぬよう口に手をあてがい耐えた。カズヤも似たような状態だった。


唐突にラブが振り向き、Tシャツを捲り上げた。だらりと陰茎と睾丸が露出された。


おれは発作に、ラブを指さして「ヒィーッ、ヒィーッ」と声にならない悲鳴を上げ、涙を流し、絶叫をこらえた。ラブはTシャツを捲り上げたままジョギングをはじめた。夜の王様は解放的な表情をしていた。


やがて笑いの発作は落ち着き、新たな刺激を欲した。そうだ、ハプニングはまだか……ジャストのタイミングでナイスなアイデア。


「コンビニで買い物しようぜ」


「金ないっすよ」


「奢ってやるよ」


「じゃあ、行きましょう」


コンビニへ向かった。店員に通報されて連行されちまえばいい。閉店済みのスーパーの前を通った。そこから先はかなり明るくて、ラブはビビり「無理っすよ」と情けない声を上げる。おれはラブを恫喝して強制的にコンビニまで引っぱってやろうかと、だが、だいぶ冷めてきたから「わかったよ、じゃあ帰るか」と引き返した。


自販機でコーヒーを買ってると、いい具合にタクシーが来てすぐ近くで止まった。今日はじめてのギャラリーだ。降りてくるのは若い女、変態行為の恰好のターゲットだ。


「ラブ、行け! 日本男児の時間だ! ベジタリアンの勧誘をしてこい!」


「無理っすよぉ」


ラブは縮こまり、電柱の裏手で微動だにしない。ラブがモタモタしてる内にタクシーは発車し、女もどこかに消えた。ラブは有終の美を飾れなかった。


帰り道、正面から男が二人歩いてきた。そいつらは話しながら歩いていたが、ラブの姿を見て無言になり、徐々に右手に反れ距離をおこうとした。Tシャツをできるだけ下に引っぱって誤魔化そうとするラブ、無表情で通りすぎる二人の硬直さ加減、カズヤと二人で手を叩きながら喜びあった。


アパートの近所で、おれは「全部脱げよ」とラブにいった。やつはTシャツを脱いだ。カズヤが「Tシャツ持ちますよ」といって回収した。


ラブは電灯の明かりの下、生まれたままの姿でバンザイをする。彼はアダムになった。薄汚いアダムに。


「ヤッター!」駆けまわるラブ。


「どうして全裸で外にでることを法律で禁止してるんですかねえ、改正するべきだ」


「そうだな、君が先頭にたって解放運動をすればいい」


「それもいいですね」


アパートへ戻った。佐藤さんは起きていた。


「行って来たの?」


「起きてたんですか」


「話はきこえていたからね」


「だったら来ればよかったのに。大した見世物でしたよ」佐藤さんは笑った。


おれはカズヤと少し話してから眠った。                        

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