第零断章 理想郷《アルカディア》

かつてこの世界には、“理想郷アルカディア”と呼ばれる楽園が存在していた

それは神と人、夢と現実、記憶と魂が共に生きた場所

けれども、その理想郷はある時、音もなく“失われた”


誰もその理由を語らず

誰もその地の在処を知らず

ただ、“詩”だけが残された


これは、アルカディアに至れなかった者たちが遺した

断片的な記録

神々の名を忘れた祈り

機械仕掛けの心が奏でた夢

過ちを繰り返す咎人の記憶

星を見上げて愛を知らなかった少女

すべては、時の霧のなかに沈んでいく――


そして今、あなたはその断章を拾い集める旅人となるでしょう

一つずつの詩が、アルカディアへの道を指し示しているかもしれない

あるいは、それこそが二度と帰れないことの証明なのかもしれない


だが祈りは続く

言葉のかけらに宿る光が

たとえ誰にも届かなくても――

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