日本国宝展行ってきた

椎名富比路@ツクールゲーム原案コン大賞

初手でファインプレー

 ホロライブの「儒烏風亭じゅうふうていらでん」ちゃんが、自身のラジオで推していた、大阪市立美術館で開催中の『日本国宝展』。

 オレも小説の取材として、行ってみることに。


 いざLoppiで予約。 

 この予約チケットがあれば、あべのハルカスにある都ホテルのカフェでケーキセットが食える。

 

 予約するほどのものか? と思ったが、これが実はファインプレーだった。


 なんと現地に行くと、


「チケットを持っていない方は、三〇分待ち」


 ってアナウンスされているやんけ!


 国宝すげえ。なめてた。


 こんなこともあるのか。


 いざ入ってみると、もう人だかり!


 どこに沸いてきてん、ってくらいの高齢者どもが、ワラワラと国宝を眺めていた。

 前に進まない!

 

 みんな歴史好きだなあ。

 ぶっちゃけ、「丙子椒林剣&七星剣目当ての女子しかいねえだろ」と思っていた。


 展示されていたお経とか釈迦の絵巻物とか、わけわからんかった。

 オレの後ろの人がちゃんと「釈迦がどうのこうの」とか、絵巻物の意味を友人に聞かせていてビビる。


 オレも遠くから見るのと近くから見るのとの違いなどを確かめ、どうにか頭に刻みつけようと無駄な努力をする。


 あまり見られない仏像の後ろ姿とかも見られて、かなり貴重な体験だったかも。


 あと、仏像は保管場所によって形が微妙に変わるらしい。

 正面を向いている像もあれば、俯いて猫背になっている像も。


 三〇分くらい回ったかなーって思っていたが、九〇分も入り浸っていた。

 

 国宝の修繕方法なども展示されていて、「これはネタに使えそうだな」と思った。


 

 で、お目当てのカフェでやらかす。


 カフェでチケットを見せたところ、

「席のご予約は?」

 と尋ねられる。


 え?


 結局、一〇分ほど待たされる。


 聞けばあのチケット、実は予約していたのは「ケーキセットを食える権利」のみだったのだ。

「席は別で、独自で取ってくださいね」って、小さく書いてあるやんけ!

 

 うわー。これが一流ホテルの洗礼かい。

 オレはセレブではないので、ぜんぜん利用したことがなかった。

 なので、そういうルールはわかんねーのよ。


 オレのあとから来たカップルなんて、帰ったしね。しかもオレよりドレスコードできてへんかったし。


 オレの場違い感も大概だったが、オレのあとに入ってきたオッサンは、全身ユニクロルックなのにえらい堂に入った態度だった。フロントの対応も、かしこまっている感じ。隠れ富裕層かな?


 ケーキは、バナナ味ベースのオレンジ味のチョコが乗ったやつをもらう。

 とにかく、せっかくだから一番変わったものが食いたかったのだ。あと、食える花が乗ってるってところにも惹かれた。

 味は、まさに「食べる芸術品」って感じで。

 食える花も、さっぱりした味と食感で、甘酸っぱい。もっと漬物っぽい味かと思ったが、ちゃんと甘い。

 まさしく、美術展の帰りにふさわしいケーキだった。妥協して抹茶とかショートケーキとか頼まんで正解や。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

日本国宝展行ってきた 椎名富比路@ツクールゲーム原案コン大賞 @meshitero2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ