【純文学・自主企画参加】手紙

野口マッハ剛(ごう)

独白形式

 僕は未来から手紙を書いています。この手紙は過去の僕に対するメッセージですね。未来から手紙を送ると言うことは明るい未来? いいえ、暗い未来ですよ。警告に近い手紙を書いています。


 10代の僕へ。


 不登校になって、親戚に詩人が居ることは知っているでしょうか? 同時に、創作は苦しいものだと祖母から聞いたでしょうか? 現在の僕は、Web短編コンの中間こそは通るけれど、結果が何一つ出せません。


 最近は日本は可笑しな方へと向かっています。


 まあ、それはさておいて。


 過去の僕は幻聴がある日突然に聴こえて必死で正気を保とうと努力します。果たして、僕は精神科のお世話になります。早い内に手帳と年金受給申請をしなさい。あとは無駄遣いしないこと。


 詩人の血を分けてあるからこそ、僕は創作をやめない。過去の僕に詩を贈ります。




おぎゃあおぎゃあ

やわらかい十一月

あたたかい母乳


おぎゃあおぎゃあ

いもうと産まれ

嫉妬生まれ


おぎゃあおぎゃあ

小学高学年に

母は家を出ていき

僕は光を見失い


おぎゃあおぎゃあ

詩人の血を分けて

光を受けて


おぎゃあおぎゃあ

あなたは幸せになれない

あなたは闇を彷徨い


おぎゃあおぎゃあ

見えている世界は

果たして変わる




 詩と言うのは、言葉を借りた芸術作品です。


 純文学は少数派の立場に転落しています。


 創作をやめない僕は、決して目の前の結果に心を左右されることなく、生涯続けるものです。物書きはそれが定めなのです。悲しくも喜びでもあり、僕は創作をやめない。


 おっと、書き足しておきます。不登校の経験は人生の糧になります。こんなことは僕自身だから過去の僕に言える言葉の形式でしかない。


 すべてに感謝を忘れずに。

 では失礼します。

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