永久の場所

第1話

夕暮れの空が

朱に染まる


かつてそこにあった

あの温かな灯火は

もう消えてしまったのか


誰かの優しい声

あの道


戻りたかったあの懐かしい場所

もう存在しないのか


本当に?

目に見えないものは、存在しないと言えるの?


目を閉じればいつだって

あの場所への扉は開かれる


醒めている時よりも

はるかに近くに


あの温かい光

あの優しい声

あの懐かしい場所が

私の心を包み込む


かつてそこにあったものは

今も永久にあるのだ


私が目を閉じ

それらを思い出す時


キミが微睡みの中で

無用の楔を断ち切る時


それらは今も消えずに

かつてもいまも永久に在るのだ


懐かしい永久なるものよ

私を、キミを_

抱き微笑んでおくれ


黄金の微睡みよ

私たちを休ませておくれ


あなたの温かい腕の中に

私は再びあの場所へ


あの時へ

あの光へ

キミと共に


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