この作品の大きな魅力は1年生エースの美希と、2年生の司令塔・麗奈、双方の視点から物語が語られる点でしょう。同じ出来事、同じ言葉が、二人にとって違う意味合いで受け取られていく「すれ違い」。後輩をチーム内の嫉妬から守るために、あえて自らの評価が下がることも厭わずパスを調整する麗奈さんの不器用な優しさ。そして、その優しさに気づき、自らの恋心と強さに目覚めていく美希さんの真っ直ぐさ。前半の美希さんの格好良さも、後半の麗奈さんの意外な慌てぶりも、魅力的です。