第7話

「久しぶりに、楽しめそうかも。

本気でやるから、失望させないでよね。」


ブルッ


体が震える。

俺は怖がっているのか?

...違うな

これは"武者震い"だ

俺は、今の俺は、三枝と戦えることに喜びを感じているんだ。

ハッ、変わったな。


この病院は、江戸時代のお屋敷の跡地に建設された。ここには、数多もの侍の魂が眠っている。

そして、何の因果か、戦いに喜びを感じる侍がこの場所で亡くなった。

死して約265年。

その侍はいまだに戦いを求めている。


藍沢 圭吾のスキルは「霊魂化」。

このスキルはリスク&リターンでである。

その内容は、近くにいる霊の力を自分の体に

憑依させるというものである。

これだけ聞くといい能力に思えるが、

圭吾の今のMPでは1日2回がMAXだし、そもそも、その時に合った霊がきてくれるとは限らない。さらに、スキル使用者は憑依させているときだけ、性格が霊に似てしまう。悪い霊が来たらその時点でゲームオーバーなのである。

しかし、圭吾はこのスキルの危険さにまだ気づいていない。


「なんか楽しいかも」


力がいつになく漲る。

心が嬉しくてはち切れそうだ。


ヒュゥゥゥーー ドガンッ!!


三枝が消えたと思ったら圭吾の前にいる。

その瞬間、圭吾も消えて、前まで三枝がいた場所にいる。

三枝と圭吾の戦いは、もうC級ハンター程度じゃ視認できず、B級でも介入せず、見守るだけしかできない次元にまできていた。


そして、三枝は2つ目の技を発動する。


「第弐舞 百花繚乱」


百花繚乱は半径10mの円の中にいる敵を、逃げられなくする。

そして、その範囲の中にいる敵には

こちらの攻撃が"必ずあたる"。

これこそが百花繚乱の真骨頂、不可避の攻撃な

のである。


ただしこの技には三枝に対して、致命的な欠点がある。

百花繚乱は相手が死ぬ、または負けを認めない限り解除ができない。

と、三枝は思っている。

しかし、その他に


「三枝が死ぬ、または負けを認める」


という解除方法もある。

三枝は今まで一度たりとも負けたことがない。

だからこの可能性を "考えられない"



_____________________

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これもみなさんのおかげです。

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