第29話 幸福
その後、ゆなは無事出産を終えた。障害や病気がないかは、すぐに確認した。
やはり多くて4%未満の確率と言ってもかなり不安だったのだ。子どもは健康体そのものだった。
「ありがとう、健斗。それにしてもあなた、良く今まで私のわがままを受け入れてくれたわ
ね。」
「そりゃあ、君のことが好きだからね。当然さ。それに、ゆなは最初にあった時よりお母さんらしくなったよ。子どもに万が一のことがあったら、私がすべての責任を負う。その言葉を聞いて覚悟が伝わってきた。」
そう。あれから、田村ゆなは精神面だけでなく、身体も成長した。
今の彼女は、高校生くらいの風貌だ。車の運転もできるし、文字も読める。
方向音痴なのも完全に解消した。好きな人がいて、健康な子どももいて、幸せな家庭がある。彼女はもう自他ともに認める完全に普通の人だ。
いや、自他ともに認める幸せ者かもしれない。この先、彼らを待っているのはとても明るい未来だ。
メンヘラDr.ゆな finalphase @finalphase2
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