ふつうすぎる日常
白田 忍。
第1話 高校生活開始!様々な人との出会い!
私の名前は、真金 千里(しんかな ちさと)。
今日から始まる高校での新生活。
どんな人に出会い、どんな経験をして、どんな選択をして、どんな未来が待っているのだろう。
私の住んでいる街、小山町。海も山もあって、近くに大型のショッピングモールが最近できたことによって、最近「住みたい街」として注目度が上がっているらしい。ただの自然豊かな街から、脚光を浴びる街へと変化しつつあります。
その街に似ていて、私自身もごく普通の、中学生だった。成績も運動神経も全部普通。母さんは「普通が一番だ」って言うんだけど……地味めで真面目な子という感じで。
なので、高校では、少しはこの街のように、羽ばたきたいなーなんて思ってます。
そんな思いを胸に、ワクワクしながら、学校の門をくぐる。
市立小山台高校。ここが私の新天地。ここの志望動機は、家から近いので続けられそうだなという理由。続かないと意味ないからね。
下駄箱に靴をしまい、上履きに履き替える。そして教室前。「どの席に座るか、ここに貼り出しています。確認して各自座ってください」外に先生らしき人物が、そう言っていた。
千里「私の席は、一番うしろか…よし」
そして、その席に腰を掛ける。横の人はまだ来ていないみたい。どんな子が隣の席なんだろう。
ドキドキしながら待っていた。私の近くに来ては、違う席に座るというフェイクを何回も体験し、少し気が抜けているときに…来た!
「おはよう、あなたが隣?」
声は落ち着いているけど、どこか冷たさより柔らかさの方が先に来た。
私はとっさに、千里「ハイそうです」
なんかぎこちない初対面になった。もっと気の利いたこと言えなかったのかと少し後悔。学園モノのようにかっこよくいかないなと現実の厳しさを実感。
「私、坂井 九十九(さかいつくも)、よろしく」
「私は、真金 千里です、よろしくおねがいします」
そして、その子は座って遠くを見つめる。初対面の感想、とてもクールな子だ。世にいう、クールビューティというのが妥当な言葉だと思う。
そして、私はそれ以上会話を交わすわけでもなく、ノートの端に、いつものミニキャラを描きながら緊張を紛らわせていた。
少し経ってから、先生が姿を表した。
若い女の先生だった。黒板に自分の名前を書き、自己紹介を行う。黒板には「藤井 ひとみ」と書いてあった。
そして、手に持っていたノートをトンと机で少し整えた後、小さく咳をするポーズをして、自己紹介をし始めた。
ひとみ「私は、藤井ひとみ、26歳で、専攻科目は歴史と地理です。教師歴は今年で4年となります。好きな言葉は…」
白いチョークで黒板になにか書き始めた。「一期一会」
黒板を少しバンと叩き、先生は言った。
ひとみ「一期一会です。意味としては『これからも何度でも会うことはあるだろうが、もしかしたら二度とは会えないかもしれないという覚悟で人には接しなさい』という言葉です。SNSが普及して、人とたくさん出会います、なので今はこの言葉って、特別大切だと私は思うんですよ…」
教室の空気が、少し引き締まるのを感じた。さらに先生は力説する。
ひとみ「なので私も、皆さんと毎日毎日これが最後というような、真摯な気持ちで接していけたらなと思います。まだまだ未熟なところだらけなので、ともに学んでいきましょう♪」
先生はお辞儀をした。そこで、教室では盛大な拍手が起こった。
私は、この先生となら楽しい学園生活ができると、そんな予感がして、ワクワクが止まらなかった。
九十九「優しそうな先生だね…」
横の席の九十九ちゃんが、ぼそっと話しかけてきた。
千里「うん、そうだね!」
激しく同意して答える。
そして、全員順に自己紹介をしていき、そろそろ私の番が回ってくる。心臓のドキドキが止まらなかった。一応話すことをきっちりメモして頭に叩き込んではいるものの、きっちり話せるかどうか…。
九十九「緊張するね…」
千里「だね…」
その様子を見てか、先生は。
ひとみ「失敗しても、何事も経験。それにこのクラスに、それを笑うような人はいない。私はそう思っている…と圧をかけておくね。これでできなくなっちゃったねー」
教室が笑いに包まれた。空気が柔らかくなって、肩の力が抜けた気がした。先生はこちらを見て微笑んだ。それに答えるように、私は笑顔で返した。
とうとう私の番が来た。
ひとみ「では、真金千里さん自己紹介お願いします」
とうとう私の番だ。少しだけ前向きになった心で、自己紹介を始める。うまくやれるかどうかはわからないけど、一生懸命やろうと、私は思った。
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