夜の闇を、ほんのわずかの光がめくり上げようとする薄暮の時間。その静けさ。鳥たちが騒ぎ出すほんの手前、一日で最も静寂な一瞬に、何かがいて、語りかける。本当に静かな、均一な空でも、目をつぶると、音のないさざ波のような息吹が見えるようです。これからまた新しい一日が始まる、そんな期待を、その直前の静寂に託したような小文。美しいです。
静か、始まっていないもの、これから起こること。そういった言語化が難しい点を、美しい言葉で書き綴っていらっしゃいます。澄んだ朝の空気のような詩が読みたい方、ぜひ。