第26話 魔の階層②

「は?」

なんで、、ダンジョンコアがあるのに、、、

「やはり人間で無かったか」

首の180度回転。からの口から火炎放射。

トットと後退する。

「そんなのありかよ、、」

ダンジョンコアに見えていたものは幻影であった。

「ようこそ!僕の階層へ!」

というのは、、というかオルスはどこに行った?

「お仲間さんは、、すでに死んで俺が飲み込んだよ」

「は?」

理解が追いつかない。

「モンスターなのに人間思いだね」

するとその少年はある少女に変わる。

「お前ッ!」

村に住んでいた頃に俺が恋した1人の少女だ。

こいつのせいで、、俺は虐められる羽目になった。

「なんのつもりだ、、」

「ふふふ?なんだろうね」

その途端景色が明るくなった。

王様?

「こいつはゾンビだッ!恐ろしい恐ろしいゾンビだッ!」

その瞬間、俺の体が勝手に動いた。

「アアア?」

手には人間の血が付いている。

「お兄ちゃん、、?」

先程殺した者の弟と思わしき人物がいる。

「助け」

ボオオォォッ!

無惨にも俺が出した火で息絶えた。

「殺せ!」

そこに兵士が大勢やってくる。

肉塊が大きな剣を作っていく。

「散れ」

ブンッ!

と振るとその勢いで前線にいた者は死に、後ろに居た者も重傷を負う。

「アアアアッ!」

オルスが殺そうとやってくる。

その大剣で振り回すも彼は受け流す。

「この野郎!」

があと一歩の所で失敗して無惨な姿になった。

「ハハハハハ!」

と笑う。

こんなのは俺じゃない、、なのになぜ感触がある?なぜ既視感がある?

「おおお!」

ルークが飛んでくる。

がルークは一撃で葬される。

町は火に焼かれている。俺はその中央でただ佇んでいる。

アアッ!ナンデ人をコロス事に快感を覚えるのだろう、、

ずっとこの世界に居たい、、この世界でずっと、、

ずっと、、ずっと、、

「、、、ってなると思うか?」

わかってんだよ、、、偽物だってな、、

「舐めんな」

俺の鍛えられた精神力を舐めんな。

グギギギ、、

抵抗する、、主導権を一瞬でも俺に、、

来たァ!

ガシュッ!

その大剣で自分を切断する。と共に俺の体はバラバラになった。

一瞬の沈黙が流れる、、

ドゴオオオオッ!

といきなり大きな衝撃が響き、俺は消えた。

暗い、、まさかまだ目覚めて、、

「ウワァァァ!」

え?なんだここ、、全く見覚えがないが。

「ん?」

雷、、そしてあそこにいるのは、、魔女?

そして目の前で泣いている少年がいる、、オルスだ。

「アアアアッ!!」

「ヒェッヒェッ!」

と目の前で魔女は笑った。

「ここは、、オルスのトラウマか」

「お前は面白い。だから生かしてやる」

少年は何も動かない、、嫌、動けない。

「くっ」

俺もその姿を見ることしかできない。

おい待て待て、、マジでどうするんだよ!

誰も動かないぞ、、

「フンヌゥ、、」

よし動け、、

ガッ

するとそこで透明の壁にぶつかる。

ドンドンドンドン!

とその壁を一生懸命叩く。

「おい!あの魔女逃げるぞ!」

「アアアッ、、」

と項垂れている。

「オルス!立ち上げれ!」

「、、、」

無反応だ。本当にこのまま、、

「いや、、まだだ」

ドンドンドンドン

と何度も透明の壁を叩き続ける。

「伝われ!いけ!克服しろ!」

多分このモンスターは幻覚を使う。

その人のトラウマ。そして一番起こって欲しくないと感じる未来を見せる事で絶望させる。多分その間にも毒か何かが侵食している筈だ。

「いけ!やれ!」

、、、やばい、、多分あの魔女があの暗闇に消えたら、、

---

雷の魔女。

そいつこそが全ての元凶である。あの日、俺は必ずや奴をこの手で殺すと決意した。

「なんで俺だけ生きて、、」

「ほぉ?運が良いことだ」

魔女はそう言って「ひゃっひゃっ」と笑う。

「まあ、折角だから生かしてやろう!」

そう言って去っていった。俺の家族を殺して、、

正直、あの時死んでしまいたかった。それでも俺は覚悟を決めて進んできたんだ。

「才能がないね」

スキル。それは強くなるための絶対条件。

それがなければこの冒険者という職で食っていくのには難しい。

「それでも、、やります」

「そうかい、、好きにしな」

親がいない俺をあるおっちゃんが助けてくれた。

おっちゃん的には俺を戦いの場に出したくなかったのだろう。

が、俺は奴を殺す。そうもしないと腹の底から沸々と湧き上がるこの怒りを鎮める事はできない。

「良くやった」

俺は冒険者になれる18歳まで剣術を極めた。

既にLV28であり、まだまだ伸び代があるとまで言われた。

「貴方の技を広めます」

そしてまた目標が出来た。

一瞬にして話題になっていき、ついには22歳にして冒険者の最高地点と言われるSランクになった。

「まだ若い」

だがしかし、最強と言われるには程遠い。

新人はよく狙われる。特にSなんて全員の的だ。

「はぁ、、辛い」

嫌がらせにうんざりしていた。辛くは無かったがやる気が起きない。

「それなら、、俺の所に来る?」

そこで声をかけてくれたのが王子だった。

低賃金かつ面倒で雑に扱われる最悪の職であったが、、

「もう来たか」

俺はその中でも信用を勝ち取り側近という栄誉を得た。

それでも低賃金は変わらなかったが

「チッ」

側近という名が効いたのか誰も虐めをする事はなかった。

が、それと同時に俺に話しかける者もいなかった。

「うわぁ、、変人だよ」

対話なんて言っている所為で他の剣士からも冷たい目で見られていた。

唯一最近入ってきた2人はよく突っかかってくる。なぜが冷たくしてしまうが。

「へっ」

が、、ゾンビと出会った。

とにかく生き返り、学習されて遂にやられた。

「今日もやろうぜ」

「今日はぶっ殺す」

が、意外と楽しかった。退屈でなく時には笑顔も出た。

「で、、なんでこんな所に居るんだっけなぁ」

あーこれまでは全部嘘で想像だったのかもしれない。

魔女が去っていく、、ここはきっと現実だ。

「なんだよ、、折角、、」

どうしよう、、今からもう一度やれと言われてあれ以上の事が出来るであろうか?

「無理だ」

最初の頃は話すのが好きでそれもあってか伸びていったがこんな冷たい奴、、誰が受け入れてくれる?

やっぱり諦めるのが最善の

「ドン!」

五月蠅い、、なんの音だ。

魔女は気づいていない、、こんな爆音なのに。

じゃあ幻、、

ガンガンガンガンガンガン!

五月蝿いぞ、、

止まったか?やはり気のせいか

魔女は遠ざかっていく。

そう、、もう一度頑張るしかない、、そう、、はぁ、、

体がだるい。もしかしたらこのまま死んで、、

ドンドンドンドン!

また始まった、、と思えば終わ

「聞こえてなさそうだし、、、オルスのバカ!雑魚!ア」

幻聴じゃないのはわかった。

そうだ、、ここは夢だ。俺は俺だ。

「ぬ?」

「幻想であろうと、、ここで1度お前を殺す」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る