冒頭の「カカオの香りと ブドウ糖求め 手を忍ばせる」の一文からは食欲がそそられる。いかにも甘いチョコを味わいたくなるような衝動を覚える。しかし、次の「柔らかい、銀紙ボード」「ねっとりベトベト」では、求めるものの形がすっかり失われてしまったことを突きつけられて、がっくりします。それでも、「僕は今日も生きている」と気持ちが前を向くのがいい。人生への肯定が感じられてとても好きな詩です。